Brainfeeder@新木場ageHa


音楽プロデューサーにして比類無きDJあり、今やLAビーツの顔であるFlying Lotus(以下Flylo)。そのFlylo主催のレーベルBrainfeederがショーケースパーティを開催!過去3度開催されているパーティですが、今回遂にレーベル主催のFlyloがカムバック!(第一回に出演あり)豪華なレーベルメイトやゲスト、そして当然クルーも迎えて、更には謎のラッパー()Captain Murphyも参戦!(一体何者なんだ・・・) 過去2回Flyloを見てますが,行かないわけ無いだろ!というこでレポートなど。

  • 感想


(トイレの貼ってあったテメタボゥ)
開場に着いたのが大体23時前。既にメインフロアに入った頃にはSIMI LABが終わっててTeebsが重低音をギンギンに鳴らしながらプレイしていた。

ジャングルビーツも交えながら独特のグルーヴ感でフロアを揺らしていました。時折メロディックな音色を響かせたりなど型に縛られないポップアプローチがやや新鮮でしたね。途中一度抜けだして他のステージやギャラリーを一通り見て回ってきたのですが、まだ早い時間帯のせいだろうか過疎ってていたたまれ無くなったので元に戻って来ました(;´Д`) そうしてTeebsがフロアを温かくした後プレイは終了。この辺ぐらいからなのか20〜30分押しだったような。ちゃっちゃとセットチェンジが行われて、レーベルからデビュー・アルバムを飾る期待の新人Taylor McFerrinが登場。そう。ジャズ界の大御所ヴォーカリストボビー・マクファーリンを父に持つ真性サラブレッドの本人です。

(左がピアノとMPCやらミキサーやらをセットしたテイラー・マクファーリン、右がドラマーのマーカス・ギルモア)
まずはしっとりとピアノを弾くテイラー(・マクファーリン)。左にはかの伝説的ジャズドラマー、ロイ・ヘインズの孫であるマーカス(・ギルモア)が鎮座して申し訳程度にリズムに合わせる光景が。見た目と言い出音といい深夜のラウンジジャズ感あってやべーな?と思っていたのも束の間、テイラーが立ち上がってミキサーを弄りだし急にガンガンビートで押してくるではありませんか!モダンなヒップホップにインスパイアされたようなビートミュージックをベースにしつつ、エレクトロな展開やらジャズっぽい要素も取り入れて魅せつけてくれる。見た目ベビーフェイスな感じなのにプレイは結構エグいのねw 更にはここぞとばかりにマーカスもフリーキーなドラミングは魅せつけてうわっ、やべーなこれ!という感じに。ぶっといベースに生ドラムが被さる相乗効果ときたら!というかジャズドラマーなのにエレクトロなビートにかっちり合わせて尚且つ魅せるプレイが出来るってどういうことだよ・・・ ジャズドラマーは普通のドラマーよりも更に上のスキルを要求されるのでしょうか?と思わざるを得ないですね。 なんというかもう独特のサウンドスケープでしたわ。えれーもん見た・・・! 
お腹が空いたし、途中離脱してフードコートに行って飯。ジャークチキンサンドのLサイズ買ったらむっちゃ量あってビックリ。

ちょうどむしゃむしゃしてたその頃にtwiiterの某フォロワー氏に会って、日を跨いだ頃に発表があったknotfestのメンツやべーべ?やべーべ?と他愛のない話をした後にメインフロアの戻るとソコにはThundercatの姿が。



かの世界的なジャズドラマー、ロナルド・ブルーナー・シニアを父に持ち、ハードコア・パンク/クロスオーバースラッシュバンドのSuicidal Tendenciesにも在籍して腕を鳴らした輝かしい実績があるのは言うまでも無いでしょうが、実際見るとやっぱすげーわホントに。テンガロンハット?をかぶってややウエスタンな風貌で、見てくれのいかつさからは釣り合わない美声を発しつつ得意の六弦ベースで超絶技巧テクを披露していくという。しかしまぁ、どうやったらあんな音が出るのか。ただただ聴き入るばかり。スラップするベースと美声が相まってか絶妙な心地良さがあり、弱冠の眠気も誘っ(ry おっとこれはいけない(戒め)そしてこの時のドラマーのジャスティン・ブラウンもまたスキルが半端無くて。絶妙なグルーヴ感を発してブレイキングなドラミングを披露。この人もジャズ畑の人だそうで、良い奴には良い奴が集まって来るんですなー。というかマーカス・ギルモアもそうですが、こういうエレクトロなイベントなのに凄腕ジャズドラマーが類まれなスキルを見せつけるってのもなんだか不思議な感じ。あとセットの方ですが1stアルバムの「The Golden Age Of Apocalypse」と2ndアルバム「Apocalypse」からまんべんなくプレイしていた記憶。おーん?"Oh Sheit It's X"はー?(これについては後述)あとFLyloの「Until the quiet comes」からDMT songも披露していましたね。この時はマジでフワフワ空間でしたわ。そしてどこからともなく、
フゥーハッハッハッハッハー!!(低音)
という声が。するとサンダーキャットがステージ袖の方をチラチラと見始める。一体なんなんだ・・・ 何曲かプレイしていた頃にステージマネージャーが時間が押してるのでそろそろ巻いてくれという合図。それを見たサンダーキャットが確認を取り始める。マイクで喋りながら、いいの?このまま?休み無しで?と。何故か急にジャスティンがスパイダーマンヴィランのヴェノムのマスクを被りだすなどwそしてまたしても
フゥーハッハッハッハッハー!!(低音)
という声が。そうです奴です。サンダーキャットのステージングからセットチェンジ無しの連チャンでCaptain Murphy aka Flying lotusがやってきた!


まぁ、謎のラッパー()キャプテン・マーフィーとはFlylo本人なのは言うまでもなくw そしてあのフゥーハハハ(ryという低い笑い声は本人が普通に声を出していたことに驚き。低音ボイスいいなぁ・・・(筆者の地声が高い故)サンダーキャットのバンドをバックに従えてステージに飛び出した赤いTシャツ姿の面白黒人Flyloがまったりとしたフロウでラップしていく。あの万能黒人普通にラップうめーなおい!生バンドでラップするとクラシックなヒップホップユニットを連想しますね。もしくはラップロックバンドとか。 確か一曲目は"The Killing Joke"だったかしら。昨年には世界最強ビデオゲームことGTA VラジオDJを本人が務めるというFlylo FMが話題になりましたが、そこから初出となった"Evil Grin"もやっていたような。他にも数曲やってたかな。そしてバックのスクリーンには例のミックステープのDu∆lityを断片にサンプリングした映像やらアニメーションやらが映されてました。きわどいポルノの映像や何故かやりすぎコージーのパンスト顔の映像も映ってましたw と、かなり時間が押していたいたのか、正味20分ぐらいでライブが終了・・・ まぁ、ミックステープも30分ぐらいしか無いですしね。というかレーベル主が持ち時間を削って時間調整するとはなんて大人なんだ・・・!Flyloが「この後直ぐ戻って来るぜー!」と言ってステージ袖に帰って行き暗幕が降り転換スタート。
時刻は2:20ぐらいに差し掛かった頃、本日のメインアクトであり、ブレインフィーダーのボスであるFlying Lotusが満を持して登場。まずお決まりのMPC連打でサウンドチェックした後テスト映像が流れてライブパフォーマンスがスタート。



(みんなスマホで撮り過ぎ問題。でもこんなん見せられたら撮らないほうがおかしくね?っていう。)
毎度お馴染みFlylo feat.Elykah Baduの"See Thru To U"のアウトロの声が鳴り響き、スクリーンの3D映像が徐々に変形を見せていく。FLYING LOTUSとデカデカと映ってところでフロアは大歓声!そして更に変形をが始まり"The Diddler"→リル・ウェインのリミックスでお馴染みの"I feel like Dying"→"Sutan's Request"(ここで微妙にリズムをずらすお約束の流れ)と鉄板の流れへ。
これを見に来たんだよ!!
いやーすげぇ。マジ最高。フライング・ロータス大宇宙。これまでこの特殊3D映像システムのLayer3は過去二度ほど見てますが何度見ても凄い。Flyloが叩き出すコズミックなビーツとの脅威の相乗効果と言ったらもうね!スクリーン自体はそこまで大きくないし、実際にフジやエレグラの時と比べると過去最小だと思う。でも映像自体はどんどん進化しているという事実。相変わらずどこから見ても3Dに見える安心設計は健在。あとやたらフラッシュ連発でポケモンフラッシュを連想する程度に目に良くなかったなぁ・・・w でもまぁ音の方はフジに軍配か。室内の限界的なやつですな。野外は出し放題だし。それでもヒップホップ特有のBPM低めなダウンビートは強烈そのもの。特異な重低音が五感を刺激しっぱなしですわ。あとあれですよ、"Getting There"の映像と音の微妙なズレの心地良さ。あのPVでもお馴染みのスローな映像に独特なテンポで重低音ビートが流れててトリップ出来るわホントに。そしてここでもまたFlylo FMの楽曲もいくつかやってましたね。"Computer Face"(Flylo FM edit)に"Stonecutters"などなど。何故かゴジラのテーマが流れたりなど親日家のFlyloらしい一面もw
当然DJなのでサンプリングネタもバンバン出てきまして、TNGHTにダニーブラウンにほんの一瞬ポーティスヘッドのマシンガンイントロが流れたり、後は先日急死したDJ Rashadもかかってました。今振り返ると全体のトラックもややジュークを意識的に取り入れたセットだっようにも思えます。珍しく「Cosmogramma」から"Pickled!"をチョイスしてブレイクビーツも鳴らしてましたし。濃密な時間があっという間に過ぎ、ライブも終盤に差し掛かった頃。ここでサプライズが。


スクリーンにブレインフィーダーのロゴが点滅すると同時に、サンダーキャットが飛び入り参加してFlylo FMでもお馴染みであり、恐らくサンダーキャットの曲で一番知られてるであろう"Oh Sheit It's X"をここでかましてきたこと!何故あの時やらないんだろうと思ったらここでチョイスしてくるとは! ゲーマーにも知られてるこの曲をここに持ってくるとはやっぱりFlyloはわかってるヤツだわwww ノリノリで踊りながら歌うサンダーキャットを横目に、隣にいたFlyloはアジって踊ってるだけじゃねーか!という指摘はどうかご容赦をw もっと言えばベースで弾き語りしてるサンダーキャットも見たかったですが、コレはコレでアリということで。ここが個人的の今日のハイライトでしたね。で、当然アンコールもあって。Flyloが「ええー?もう演る曲ねーよ? どれ、ちょっと待ってみ? どれどれ・・・おっ、これがあったぜ!」(超訳)とそんな事を言いつつキャプテン・マーフィー名義の曲をラップしてFlyloのライブは終了。

濃密な70分のショウでした。個人的にも体力的に疲れたし、始発の絡みもあって終わったらすぐ帰りました。全体の総括として、LAビーツというか(クラブ)ビーツミュージックとジャズが絡み合ったドープでSWAGなイベントでした。それぞれのユニット&バンド&DJの特色が色濃く現れていたように思えます。フライング・ロータスを聴いてる時にぼんやり感じていたダークかつアシッドなジャズ性がイベントによって浮き彫りになり、EDM的な快楽とはまた違う酩酊感を伴った各人がレーベルに集まっている、そう思うのが適切かなと。今年中にはFlyloの新作がリリースされるそうですし(実際もう出来てるとの噂)、またクレイジーなアルバムとライブを届けてほしいと思いました。イベント自体は結構人が来ていたし、また継続して続けてほしいですねー。

Deafheaven@渋谷eggman

ポスト・ブラックメタル界の新星Deafheavenが約一年半ぶりの来日!昨年リリースされた新作の「Sunbather」が辛口レビューサイトのPitchforkで脅威の8.9&年間ベストTop10入り!(そのレビュー和訳記事はコチラ) そして各サイトのスコアを集積し、統計を出しているmetacriticで並み居る強豪を押しのけて年間トップを獲得!傍から見ると過剰にハイプされているようなきらいもあり、ジャケットのブラックメタルらしくなさを含めて一部の(頭の固い)メタラーを苛つかせている(爆笑) メタラーから嫌われるメタルバンドとしての地位を確立しつつある彼らですが、幾度かのメンバーチェンジを経てより強固な布陣となったらしく一体どんなライブをみせてくれるのか!前回のLTAB2012でのライブは語り草となっていますね。
以下感想とか。

  • 感想

eggmanって渋谷駅と原宿駅とどっちから歩いた方が近いんかなー?と思い原宿駅から歩いてみたが大して変わんねーじゃねーか!と憤慨しながらハコに着いたのが19:30ぐらい。当然Storm of Voidは見れず。(そもそも最初からみれそうな感じではなかった)取りあえず看板撮ってインスタにでも画像上げとくかーと思って撮っていたら横の階段からDeafheavenの新加入のStephen Clark氏(Ba)がアイス食いながら登ってくるじゃないですかw それを見たスタッフの方だか他バンドのメンバーの人だかがが「You're so Cute!」って言ってて草生えました。※↑の画像で右角に映り込んでるのが本人。
本日は前売り券がソールドアウトということもあり、場内はパンパン。で、最初に見たのが今回のツアーのメインサポートでもあるHeaven In Her Armsから。

HIHAは今回初めて見たのですが、随分前に聴いた「被覆する閉塞」の印象が強くて。そしてこのアルバムが個人的になんかダメでやや疎遠なバンドだったのですよ。で、こないだCOHOLとのsplitで出した「刻光」を聴いたら大いに印象が変わって。なんとも重厚なバンドになったなぁと。これはチェックしないとまずいな・・・と思いつつ当日を迎えてしまったわけなのですが(;´Д`) それでライブの方はどうだったかというと静と動のコントラスト(テンプレ文)と3本のギターのトレモロピッキングが織り成す重厚なハーモニー(ここもありがちなテンプレ文)がとてもヤバかったです・・・ でも一つ気になった事といえば、音源同様にヴォーカルが埋もれがちになっちゃうんですね。ソコだけが気がかりでした。でもラストに「秋宴の眩しさ」をやってくれたので良かったです。
それからセットチェンジを挟んでdeafheavenへ。




ヴォーカルのジョージ(・クラーク)くんの間近だったため、ジョージくんのアップばかりになってしまったw
セットリストはこんな感じ。
1.Dream House
2.Sunbather
3.Vertigo
4.The Pecan Tree
〜アンコール〜
5.Unrequited
まぁ、全公演一緒だったみたいですね。
開演と同時キーンと空間を埋めるようなノイズが響き渡る。割りと耳に優しい空間設計。メンバーが順にステージへ登場。ラフな新メンバー三人、相変わらずメガネ姿がナードで短髪デコッパチな割にヤンキーの息子ライクに後ろ髪を縛っているケリー氏、そして黒いドレスシャツにぴったり目のスキニーで革靴を履き、指ぬきグローブをはめてブラックメタルらしからぬフォーマルな出で立ちのジョージくん。軽くサウンドチェックした後、右手ギターのケリー氏がメンバーそれぞれにアイコンタクトを取り、トレモロピッキングでギターを掻き鳴らす。継いで連動するように左手ギターのShiv Mehra氏もトレモロピッキングを重ね音の壁とでも言うべきサウンドを構築。ジョージくんもマイクスタンドを構えてフロア全域へ睨みを利かす。そして爆裂するブラストビート!!そう!Dream House
ヤッバァァイwwwコレヤバァァアァイwwwヤダァァアwwwww
この圧倒的なカタルシスたるや!
コレだよコレ!爆走する超絶新時代の幕開け感あるイントロ!最高!正にWALL OF SOUND。ジョージくんも凄みのあるスクリームをかましていて、観客を煽るようにヒョイヒョイと手を握りしめるポーズが印象的でした。あとどういうわけかファンに対して目線を合わせて見栄を切っていてややビックリw ライブの場数慣れしてきたことも関係あるのでしょうが、なんとも堂々と余裕のあるパフォーマンスにも見えましたね。(これは他のメンバーにも言えることですが)あと、なんといっても新ドラマーのDaniel Tracy氏の異様なタイトさにビックリ。とにかく走る走る。ブラストビートももたることもなく、完璧にリズムを制圧していました。ワンバスな辺りハードコア出自が伺えますな。中盤から後半にかけてのビートダウンもバッチリ決まってたし、静寂なパートからシューゲイジングサウンドへシフトして、英語で夢みたい!夢をみたい!と叫び散らすもキマってましたねー。正にドリームハウス幸せ夢空間
それからアルバムのタイトルトラックであるSunbatherへ。この曲もまたリズムチェンジしてからのブラストビートが苛烈でスバラシイ。前半のシューゲシューゲしてるサウンドから終盤まで怒涛のブラスト&トレモロリフで畳み掛けるさまは圧巻。勢いにノッてるバンドはサウンド面でも気合が違いすぎる。
続いてVertigoです。Vertigo。この曲を待っていたんだYO!もの悲しげなメロディを綴るイントロから、情感たっぷりなトレモロリフのウェーブへ導かれる。そしてケリー氏の流麗なギターソロの後、溢れんばかりの激情を爆発させるジョージくんのスクリームとどんどん加速するブラスト&トレモロリフ!!(二回目)もうコレはアレですよ、
D!F!H!V!N!
DFHVN!!(セックス!)
とまぁ、もうカタルシスどころではなくエクスタシーの領域ですわwww(明らかに勢いに任せている)
で、やっぱりドラムの勢いが落ちなくて驚愕。そしてまたブラスト&トレモロリフの波が押し寄せて昇天!Sunbatherのアルバムとしてもこの辺のパートが肝でもあるし、ハイライトでもありますよね。そしてぺんぺん草が生えない程に激情の炎で辺り一面を焼きつくしつつ、曲がもの悲しげに終わりを告げていくのでした・・・(この辺から燃え尽き始めている)
そういえばジョージくんが口々に「俺らはデフヘヴン、サンフランシスコ出身なんだ」とアピールしていたのが印象的でした。陽的な地元で陽的なブラックメタルか。ブラックメタルなのに明るい陽的なサウンドとはまた言い得て妙な感じ。あと今日の祝辞を述べてる時に「Daymare Records Forever.」と言って居ましたね。いや本当にその通りですわ。国内リリース&日本招致したデイメアさんに感謝。
本編ラストはのっけからドーバー海峡並みのブラストウェーブが押し寄せてくるThe Pecan Tree。思い思いの感情をブラスト&トレモロリフで空間を埋め尽くす。ここで一つ思ったのが、割りと偏執狂的に空間が音で埋め尽くされても全く苦でないどころか心地良いんですよコレが。↑の方で昇天やらなんやら書いてますが半分ぐらい本当。行った人には何となく分かる美的空間。音としてはブラックメタルだが、体感的にはシューゲイザー。これが正確なのかなぁ、と。後半に向けて煽情的なメロディが奏でれてきたところで漸く終焉を訪れる。この曲の幕引きが好きなんですよね。
最後にアンコールでやったのは前作の「Roads to Judah」よりUnrequited。個人的には前作の中では佳曲ぐらいにしか思っていなかったのですが、この曲のイントロを聴く度にバンドとしての繊細な部分が虚実に現れてるような気がして思わず( ゚д゚)ハッ!!となるなど。独特のドライブ感が曲を引っ張っていてなんとも扇情的。そして今の布陣でやるので曲自体がブラッシュアップされてるような印象も持ちました。締めにはメンバーの弦楽器隊が床やら屋根の壁やらに楽器を擦りつけたり、ファンに弄らせたりとややカオスなサウンドで幕引きしていました。特にジョージくんは投げキッスをして愛を振りまいていました。なんて野郎だ!w


余韻。事後感。当日券もソールドアウトしたそうで、これが結果でありいろいろな意味での返答でしょうと。これ以上はとやかく言いませんが。
とまぁ、70〜80分に渡る濃密なライブを魅せつけられましたわ・・・w やっぱりアルバムの評価の要因は確かなライブパフォーマンスにも一因はあるだろうと強く確信。重ねて言いますが、勢いに乗っているバンドはなんもかんも桁違い。そう痛感させられました。今を切り取ったバンドに出会えて良かった。そんな夜でした。

MODERN LOVE Showcase meets KYOKA "IS(Superpowered)" Release Party@代官山UNIT

昨今の電子音楽の潮流であるインダストリアル・テクノ/ドローン・ダークアンビエントを牽引するレーベルのModern Loveがここ日本でショーケースライブを行う、ということで。しかもAndy StottDemdike Stareのレーベル2トップ!更には「踊れる電子音楽を標榜し、名門電子音楽レーベルのRastar-Notonから待望のアルバム「IS(Is Superpowered)」をリリースしたKyokaがリリースパーティを同時開催!これは行かねばばるまいと。先日のOPNの時にフライヤーを目にしてうわやっべ!うわやっべ!と思っていたのでw
以下レポートのような感想とか。

  • 感想


元々23:00開場開演だったのが後日23:30になったり、タイムテーブルが当日まで判明してなかったり???ってこともありましたが
これ系のクラブイベントではよくあることですね?w まぁそれはさておき。ぼんやりサルーンでUNITフロアの開場を待ちつつ、回りを見渡すと結構人がいるなぁと。割りと急な発表だったのに需要あるんだなぁ。で、24:00ぐらいにはUNITフロアが開場。
トップバッターはカセットレーベルを専門にリリースしているSludge-Tapes主催のmiclodiet

流石UNIT。出音が大きい。ベーシックな四つ打ちに不順な音が重なりあう・・・これはテクノイズ調な感じではないですか。いい感じに横揺れさせてくれました。またアナログ機材でDJしてるのも個人的にツボ。もっとこういう音楽広まれ。

二番手は私的に待望の来日となったDemdike Stare。昨年は3月に来日(メンバーのSean Cantyは病欠で不在)したり、Testpressingと題して怒涛の12"リリース4連発(しかも即完売)があったり、ミックステープがリリースされたり、メンバーのMiles Whittakerがソロ名義やらMLZやらでアルバムリリースしたりと相変わらず雑多な活動を続けていました。個人的に注目していたのは「elemental」以降のTestpressingリリースを経て音楽性がどのように変化しているのか確かめるいい機会だと思ってました。あと昨年のライブに行けなかったので約二年ぶりということもあったし。



やはりしょっぱなからノイジーな轟音。相変わらず場の空気を一変させるこの感じ最高。そしてVJには毎度お馴染みハマー・フィルムみたいな70sホラーのVHSをカットアップしたような映像が音に合わせてフラッシュバック。さながら暗黒異空間w プレイを見た感じではマイルスが薄暗い右奥でモジュール操作、左側でショーンがターンテーブルを使いつつラップトップで全体の音を同期、って感じですかね。このユニットの面白いところというか、デジタルとアナログのテクノロジーが混在してるとでも言いますか。淡々とプレイして轟音を出してるのもシュール。プレイ序盤はダークアンビエント〜ノイズ〜ドローンを行き来しつつ、「Elemental」からも一曲やっていたような気がする。中盤には強烈なパルスノイズが響いたり、Testpessing#002からGrows Without Boundもプレイしていました。これもまた強烈でノイズがウェーブのように襲ってくる感じでヤバかった・・・ 終盤にはドローンから急にビート感を強めて展開していくDyslogy(Testpressing#003)→Primitive Equations(Testpressing#002)と怒涛の攻勢に。それまで置いてきぼり感のあるプレイでやや棒立ちだった観客もインダストリアル色を帯びたジャングル〜ブレイクビーツに合わせて呼応するように体を動かしていました。このなんというか・・・ドローン・ノイズからブレイクビーツまでこんな幅広く手がけられるのこいつらしかいないでしょう!と、思わされた次第。電子音楽のみならず、時代の最先端を行っている。そういっても過言では無いでしょう。初来日の時は90分ぐらいやっていたようなきがしますが、今回は60分にぎっしりと音を詰め込んだ濃密なせっとでした。

三番手はModern loveの総統のAndy Stott

昨年3月の来日公演も盛況だったのも記憶に新しいところ。そのアンディですが、昨年末にはかのインダストリアル・ドゥームバンドのBatillusのリミックスを手がけて世界的に注目を集めたり、今年に入ってDemdike stareのマイルスと共にMillie & Andreaという変名ユニットでグレーに濁った奇形トラップ/ジャングルベース/ドラムンベースとでも言うべきなアルバムのDrop The Vowels」をリリースして周囲を沸かせていますね。そのリリースの影響もあってか、今回はブレイクビーツを多用したジューク〜トラップ〜ジャングルなプレイのセットになっていました。傑作Luxury problemsのようなダークなミニマルダブなセットを期待した人はやや肩透かしを食らったかも?まぁ、VJもなかったですしね。それでもプレイの終盤では「Drop the Vowels」から数曲やって盛り返していました。やっぱりシンプルかつダンサンブルなビートは否応無く体が動く。というかアンディ自身がそういうモードなんでしょうね。個人的にこれはこれであり。次のアルバムが出る頃にはまた作風が元通りになってそうですがw

四番手はこの日の主役?のKyokaさん。日本人なのでどうしても呼びつけでは書けない・・・w


アルバムのレコ発ってことで。今回は噂のモジュラーシンセサイザー(バラバラのモジュールをパッチコードでつないで構成するシンセサイザー)を用いてプレイを披露するということで、どんな感じになるんだろう?と期待していました。プレイがスタートした途端、早速Kyokaさんがいつもの左右に体を揺り動かすムーヴが始まるw そう、これを見に来た!そしてプレイの中身といえばアルバムの楽曲などをベースにしつつ、低音強めなビートに時折ノイズが被さったりポップかつキッチュなヴォイスサンプリングも重なるあの感じ。この・・・なんだろう、プレ・インダストリアル、プレ・EBMとでも言えそう感触。(近いところでFactory Floorとか)ジワジワと熱を帯びてくようなプレイがとてもよかったです。ただ、見た感じではKyokaさんがモジュラーシンセの操作に悪戦苦闘していたようにも見えました・・・w なんか明らかにトチった瞬間もあったような?即座にリカバリーしてりましたが。脇に補助の方がついいててプレイ中にもアドヴァイスを聞いていたようにも見えましたしね。(clock face modularの人だったのだろうか)それはともかくとして、トータルでは良いライブではあったので満足。今度は万全の体制で見てみたい感じも。アルバムも愛聴しているので。

この辺で体力の限界が来たし、ちょうど4:00過ぎ頃で始発もあるし、ということで帰りました。ふと振り返ると、コレ系のイベントでUNITがパンパンになっていてビックリした印象が。先日のOPNもチケットソールドアウトだったし、エクスペリメンタルな電子音楽の需要が高まっている機運が高まっていると実感。アレとかアレも呼んでくれや!それはそうと、モダンな電子音楽に直で目撃出来たいいイベントでした。

CARCASS@渋谷クラブクアトロ

イキマショー!!
ゴアグラインド〜デスメタルメロデスの開祖、リヴァプールの残虐王ことCARCASSが待望の単独来日ツアーを開催!これまでラウド・パークへ二度の出演があったものの、単独ツアーとしては94年以来20年ぶり!ということで。僕が行った東京公演初日はGW最終日の祝日ということもあり、チケットが3日でソールドアウトするという盛況ぶり。

会場の外にも入場列が出来ていてビックリ。そして会場内もパンパン。

今回のステージではバックドロップを使用せず、二台のプロジェクター投射によるセッティングとなっていました。(Surgical Steel仕様のシートが被せてあるアンプが微妙に邪魔で見えないのはご愛嬌)
以下感想とかセトリとか。

  • SET LIST

※今回の来日ツアーではほぼセトリが一緒だそうなので広島公演のセトリを準拠にしています。
邦題/原題、の順。
1985(Opening intro) 1985。新作のサージカル・スティールの一曲目より。
1.夢の埋葬 / Buried Dreams
2.硫酸どろどろなんでも溶かす / Incarnated Solvent Abuse
3.血塊(けっかい) / A Congealed Clot of Blood
4.バラバラ死体梱包運搬システム / Cadaver Pouch Conveyor System
5.殺戮の炉 / Carnal Forge
6.死のサイクル / Noncompliance to ASTM F 899-12 Standard
7.憎しみだけが残る / No Love Lost
8.ぶつぶつ悪魔の製粉所 / The Granulating Dark Satanic Mills
9.ディス・モータル・コイル / This Mortal Coil
(With Edge of Darkness intro)※エッジ・オブ・ダークネスのイントロ部。ベスト盤のみ収録曲及び、5thアルバムのスワンソングのアウトテイク。
10.腐敗臭 / Reek of Putrefaction
11.人間消費不適格 / Unfit for Human Consumption
12.×××をミンチに! / Genital Grinder
13.腐敗(ドロドロシテル) / Pyosisified (Rotten to the Gore)
14.餓鬼は屍体を貪り喰う / Exhume to Consume
15.監禁ネジネジ銃 / Captive Bolt Pistol
謎のディスコタイム
16.人体ジグソー・パズル / Corporal Jigsore Quandary
(With The Sanguine Article outro)※若き臨床科医の肖像のアウトロ。3rdアルバムの屍体愛好癖収録曲。
17.キープ・オン・ロッティング / Keep On Rotting in the Free World
(With Blackstar intro)※ブラックスター。解散前の5thアルバムのスワンソング収録曲。
18.ハートワーク / Heartwork
(With Ruptured in Purulence and Carneous Cacoffiny outro)※はらわたの膿/肉体不協和音。それぞれ2ndアルバムと3rdアルバムより。

とまぁ、こんなところかな?多少順番の入れ違いはあるかもしれない。いやー酷い曲名ばかりだなw

  • 感想


ぎゅうぎゅうのハコの中、きっちり18:00ジャストにスタート。そこそこ前の方に居たのですが、開演早々もう圧縮率がヤバかった記憶。勇壮な1985のイントロに導かれるようにメンバーが順に登場、すると最後に出てきたジェフ(・ウォーカー[Vo,Ba])が開口一番に
コンニチワーッ!
とベタな日本語wを叫んで4thアルバムから夢の埋葬(Buried Dreams)からスタート。ミッドテンポな曲ですがジェフのスクリームもビル(・スティアー[Gt,Vo])の流麗なギターソロもキレキレ。続いてまたしてもジェフが
イキマショー!!(逝きましょう)
と叫んで3rdアルバムより硫酸どろどろなんでも溶かす(Incarnated Solvent Abuse)へ!ここからダイバー続出でフロアもカオス気味に。スラッシーな展開もさることながら、新加入した無名の新人ベン(・アッシュ[Gt])の見栄えもギターソロもかっこいいじゃないですか。(マイケル・)アモットクローンかと思えばそういうわけでなく、キャラが立っている感じ。ビルと横並びでギターを掲げてる姿もまたよし。


また、ドラマーのダニエル(・ウィルディング[Dr])も凄い。元Aborted、元Heaven Shall Burnと渡り歩いてきた鉄人ながらもまだ弱冠24歳という驚き。非常にテクニカルなドラミングながらも、デスコア〜ハードコア畑出身だからなのかワンバスセットなところに好感が持てました。
ここだったかまたジェフがまたべたな日本語を連発w
ワタシタチハ カーカスデス!ニホンゴハ ハナセマセン
話してるやん!(;´Д`)
どうやら日本語が書いてあるカンペがあったようです(後日判明)。
それはともかく、ミッドテンポの佳曲な血塊(A Congealed Clot of Blood)、「ブルルルァラスッモオオオオオド!!!」とジェフが叫びスラッシーかつメロディックバラバラ死体梱包運搬システム(Cadaver Pouch Conveyor System)殺戮の炉(Carnal Forge)と続きます。いやはやメロデスの開祖らしい王道ど真ん中なチューン連発で脱糞ガッツポーズですわw あああああ(ry おっと。
巷に広がる所謂「劣化コピー」バンドをカーカス流にディスった新曲の死のサイクル(Noncompliance to ASTM F 899-12 Standard)、4thからミッドテンポかつ独特なグルーヴ感が印象的な憎しみだけが残る(No Love Lost)、これまた新作からカーカス流に階級社会を皮肉ったぶつぶつ悪魔の製粉所(The Granulating Dark Satanic Mills)と続きました。この曲の時だったかな、裏のスクリーン映しだされた工場みたいな風景をジェフが指さして「これな、俺等の地元(リヴァプール)や。どや?」(超訳)的なこと言ってました。多分。
そして珍しくベスト盤のみに収録されてるEdge of Darknessのイントロをプレイした後、続けざまに4thからディス・モータル・コイル(This Mortal Coil)へ。メロディアスに疾走するイントロ・・・! ああっ・・・!その後は(ry ところで何でこの曲って邦題がついてないんですかね? いいネタが思いつかなかったかな?
おもむろにジェフがまたMCを。
「今から古い曲演るで!(殺るで!)俺等グラインドコアってのやってたんやで!」(超訳)(二回目)
と告げて始まったのがなんと2ndから腐敗臭(Reek of Putrefaction)


やべぇよ・・・やべぇよ・・・ アモットが居た時にはやらないような曲なのでとてもウレシイ・・・ 当然ながらラフで荒っぽい曲で、ちゃんとビルも低音グロウルでコーラスに参加していました。
それから後半のリズムチェンジでサークルピット推奨な新曲の人間消費不適格(Unfit for Human Consumption)ときて一度ブレイク。
ここでジェフが「女子勢(後ろに映ってるものについて)気をつけなはれや〜」(超訳)(三回目)と、デカデカとスクリーンに
チンポだ!
禍々しい巨大な(多分)性病チンポが映されていましたw しかしながらアンプが邪魔してあんまり見えねぇ・・・
と、ここから初期曲のオンパレード。巨大チンポから察するように1stから×××をミンチに!(Genital Grinder)→同じく1stから腐敗(ドロドロシテル)(Pyosisified (Rotten to the Gore))→2ndから餓鬼は屍体を貪り喰う(Exhume to Consume)という流れに。特にExhume to Consumeではこの曲のメインヴォーカルであるビルの低音グロウルが炸裂していました。やっぱこれだよねーw


次にプレイされたのが、新作から最初にリークされその後アップと削除のイタチごっこに発展した新曲の監禁ネジネジ銃(Captive Bolt Pistol)。スラッシーな後期カーカスらしいチューンですが、曲の途中で謎のブレイク。一度メンバーが袖に下がったと思えば暗転せずに謎のディスコチューンが流れ始めたwww そして割りと直ぐにメンバーも再登場。しかもジェフなんて踊ってノリノリで出てきたしw ジェフが「やめーい!」と手を大きく振るとディスコチューンが止まり、そしてまたジェフが
FIRE!!
と叫んでまた曲がギター・ソロから再開。やっべえええええかっこいいいい!!!!! こういう気の利いた演出最高すぎるで!あと例のディスコチューンはこれでした。

どうせならなんか面白いことしようじゃん?というのが大まかな真相だそうです。しかしよりによってなんぞこれwww そして本当にここで長めのブレイク。ここから先がちゃんとした?アンコールです。
それから来ました3rdのザクザクミッドテンポな鉄板ソングの人体ジグソー・パズルが。ギターソロの掛け合いも秀逸。ラストには若き臨床科医の肖像のアウトロも交えて曲を締めていました。あのデデデン!ってやつね。
そしてそこからまたレアなブラックスターのイントロを挟んでキープ・オン・ロッティング(Keep On Rotting in the Free World)がプレイされるとは!かの曰くつきアルバムであるスワンソング(5th)からの曲ですよ。メンバー脱退だの契約頓挫だの解散だのあり、俺の知ってるカーカスサウンドじゃねぇ!などと散々な評価が付きまとうこのアルバムですが、今一度再考されるべきなのではないかと。出来自体は悪く無いですし。それとこのアルバムからの曲をプレイしていることで、スワンソング黒歴史化していないことに好感が持てました。あとここでもジェフのベタな日本語タイムが。曲中盤のカウベルタイム直前にて。
ウシ!ブーブー!
カネ!コンコン!
(ドラムを指さし)カウベル
とまぁ、こんな感じに。サービス精神旺盛なおっさんやなw
ラストは当然バンドの代名詞であるハートワーク!!(2ndのRuptured in Purulenceのイントロを添えて)最高すぎて逆になんも言うことないですね・・・ 当然の事ながら大量のダイバーが流れていきました。締めのアウトロに肉体不協和音(Carneous Cacoffiny)の様式美なメロディで有終の美、ってとこですか。1st〜5th、そして新作までのセットをフォローした非常に充実した満足度の高いライブでしたね。新メンバーもバンドに完全にフィットしていて、まとまりのある強固なアンサンブルが出来上がってるな?とも感じましたねー。
くぅ〜疲れました。約100分に及んだカーカスのライブ、これにて完結です! また来てね!アルバム再現ツアーとかで!

Atari Teenage Riot@代官山UNIT

デストローーーイ!!!!

あのAtari Teenage Riot(以下アタリorATR)が新章ATR3.0と題し完全日本先行で新作RESETをリリース。そしてアルバムのプロモートも兼ねて緊急来日!
今回の来日ではPVのシューティングも行ってライブ会場にてファンの撮影を許可し、PV用に動画を撮って送ってくれ!とのこと。流石アレック(・エンパイア)、太っ腹や! 以下感想とか。


  • 感想

来日も2ヶ月前に決定というスピードだったのにも関わらず東京公演はチケットソールドアウトという盛況ぶり。前日には追加公演も組まれていました。19:30スタートという社会人に優しい時間設定ということもあり、フロアはパンパン。
今回の来日に於いては事前に公式でフラッグを売出し(どんなバンドだw)、フロアではファンがそれを掲げるという妙な光景にw

開演前からレイヴっぽいBGMがフロアに鳴り響き、ACTIVATE!のリミックスが流れ始めた19:45分ごろにアタリのライブがスタート。セットリストはうろ覚えだけどこんな感じ。前日と一緒か?

1.Reset
2.Destroy 2000 Years of Culture
3.New Blood
4.No Remorse
5.Atari Teenage Riot
6.Revolution Action
7.Shadow Identity
8.J1M1
9.Speed
10.Blood In My Eyes
11.Transducer
12.Black Flags
13.Death Machine
14.Activate!

〜アンコール〜
15.Cra$H
16.Modern Liars
17.Collapse of History
18.We Are From the Internet

開演早々にメンバー三人がアジり倒す!!早速フロアがカオス!!そしてフラッグが舞う!!

一曲目は新作のタイトルトラックでもあるRESETから。最初にこの曲を聴いた時はあからさまにレイヴっぽいというかダンサンブルな感じ聴こえてうわダセェ・・・とは思ったのですが、ライブで実際に体感してみるとあら・・・いい感じ?みたいな。今となってはある意味過去を文字通りリセットして新ATRを打ち出すいい曲だなぁと。続いて文字通りデストローーイ!!な定番曲のDestroy 2000 Years of Culture(スレイヤーのDead skin maskのリフのサンプリングでもお馴染みか)、新曲のNew bloodときて、これまたド定番のNo remorseへ。スレイヤーとのコラボで生まれたこの曲ですが、やはり何度聴いても強烈。最高で最高and最高。



そしてクラシックナンバーのAtari Teenage Riotから、
アクショーーーン!!!!
Revolution Actionキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
当然の如くフロア大爆発!モッシュピットも危険なことにw そして新加入のラウディ(・スーパースター)もクラウドに転がり込むようにダイブ!!長身なこの人ヤバいw
ここでちょっと閑話休題。ラウディSS加入の経緯について。前任の黒人MCのCX Kidtronikがソロ活動に専念したいということでユニットから一時離脱(一応、後に復帰する意向もあるらしくとりあえずお休みという扱いらしい)、そして声がかかったのはUKのグライムシーンで活動しているラウディだったっていう。UKでのアタリのライブをラウディがプロモートした経緯もあり、アレックが一緒に出ない?と声をかけていざ参加してみたらドンピシャ!そのまま加入して新作もフルタイムメンバーしてレコーディングに参加という流れに。いいユニット(バンド)にはいい人材が流れてくるんですなー。
話を戻す。前半でド定番の曲連発だったため、ジワジワピットが疲労気味にw 前作の"Is this Hyperreal?"からShadow Identity、新作の一曲目でもある"J1M1"へ。ザクザクとしたリフにラウディのリリックが乗っかる感じが小気味よいこの曲。コーラスパートはニック(・エンドー)が歌う感じ。エンドーさん髪の色黒に戻してましたね。RIOTと書かれたTシャツイン姿が眩しいw 歌モノがどうこうついては後述。それから定番曲のSpeed(これも最高)、前作からBlood in my eyes、そして新作の高速ナンバーのTransducerへ。この曲でコピーオブマンオブコピー!と歌うところがやけに耳に残ったり。( ゚д゚)ハッ! コピオバコピオバ!
次にPVで大々的にAnonymousをフューチャーしたBlack Flags、新作からどう聴いても1:30〜辺りのところが「こんにちわマーダー!」と空耳してるようにしか聴こえないDeath Machineへ。ライブを見てて気づいたのは、曲ごとにメンバーそれぞれががMCとブースを交互にスイッチしながらライブしてたことですね。誰が誰でもMCと音出し出来るのは見てて面白いなぁ、っていう。
本編締めはアタリ復活を位置づけた名曲のActivate!。この辺だったか、ファンが持参したフラッグがアレックの手に渡って掲げるというエピックな出来事に発展。(その旗主は実は身内だったりする)


アンコールの呼びかけにメンバー応えて再度登場。新曲のCra$HModern Liarsと続きます。ところで後者は新ATRのある側面でもある歌モノナンバーなのですが、勿論歌うのはエンドーさんなのですが・・・ライブだとやや難があるかなと思った。やっぱりバックの演奏にかき消されて埋もれがちになっちゃうんですよねぇ。ここはこれから試行錯誤を重ねて修正するでしょうけど。別にやらなくても(ry
そして前作からサッカーの応援コーラスみたいな曲のCollapse of Historyときて、最後は新作からWe Are From the Internet。この曲で繰り返し連呼されるYou are the one!(君は選ばれし者!)という歌詞がやはり耳に残ってて。この曲自体はネットで匿名であることの有用性を説いてるのですが(匿名であれば何者にも差別されないし見つかることもない的な)、今改めてこれは勇気をくれる曲だと実感。
ラストはいつものハイパーノイズかな?と思いきや割りとしっとりとした幕引きに。これはこれで良かったんじゃないかと。
ライブは大盛況だったしトータルで最高なライブだったですね。ではここでライブの感想をスライリーくんに代弁してもらいましょう。
彡(゚)(゚)新作は少々微妙やったな・・・
彡(^)(^)でもライブは最高やったわ!
あととりあえずアレックがスクリームしてこれを残して終わりましょう。
ATARI TEENAGE FUCKING RIOOOOOOOOT!!!!!!

Oneohtrix Point Never@代官山UNIT

前衛現代音楽。

昨年Warp Recordsへと移籍した実験的音楽の鬼才、Oneohtrix Point Never(ダニエル・ロパティン)。そしてそのWarpからリリースされたアルバム『R Plus Seven』が各音楽媒体で軒並みベスト・アルバムに選出されたのも記憶に新しいですね。そのアルバムを提げ満を持して初来日!ということで行ってきました。以下感想とか。

  • 感想



会場に着いたのは19:30ちょい前ぐらいだったか。チケット売り切れ&当日券も無しということでロッカーも全て埋まっていた(愕然 フロアに入ったら既にオープニングゲストのPattenが演奏していた。なんかAutechreみたいな感じだな―と思いつつ、フラッシュバックする映像をぼんやり見ていた。ギター抱えて弾きつつブレイクビーツを鳴らしていてなんとも妙な感じ。ただDriftはカッコ良かったですね。19:45ぐらいに終わり、転換へ。
ダニエル自身がセットアップし、20:10過ぎぐらいから聞き覚えのある声のエコーが鳴り響きライブはスタート。
Still lifeキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

残念ながら(beta male)の方ではありませんでした・・・
因みに今回のツアーではヴィジュアルデザイナーのNate Boyce自身がツアーに帯同し、ステージ向かって左側でラップトップを操作し、映像を流すという趣き。↓のヤツが部分的に放映されていました。本人が作成したやつですね。

アンコール挟んで60〜70分ぐらいのショーだったか。ひたすら脈絡無く継ぎ接ぎのような音楽というか、(所謂ヴェイパーウェイブ感)カットアップとコラージュを足したような感じなのに一定のビート感があるので不思議。Boring Angelでは強くその印象を持ちました。しかしノイズ畑出身は隠さないのか、時折スパークするようにノイズが響いて流石だなぁ、と。ノイズ〜ドローンからビートミュージックへの以降に関してはドミニク・フェルノウのVatican Shadowとの類似点も。(ノイズ〜テクノならPrurientともとれるが。)それなりにビート感にはこだわりがあるようです。ただアンコールにやったドローンソングは心地良かった。
で、ですよ。映像についてですが鳴らしてる音との関連性のなさ!映像と音が連動するという訳でもなく。空間が変形する、物体のテクスチャが剥がれたり物体の変異を含む映像がひたすら反復して投影されていた。映像も音も反復していたといえば関連性はあるか・・・? それでアレですね、(アート)インスタレーションという趣旨に近かったのではないでしょうか。音楽をBGMに映像を直に鑑賞する、的な。例えばですが映像を伴ってもロックを鑑賞とは言わないでしょう?(この辺のニュアンス伝われ) WIREDでのインタビューでも見受けられるように、音楽をある種の芸術としている向きがあるようです。会場を丸ごとスクリーンとして扱ってビデオインスタレーションとしてやればよかったのかも。
ライブの評判自体は良かったようですが、何がどう良かったかと聞かれると答えに窮するのもまた事実。実際???な人や棒立ちで足が痛かったとも漏らしていた人もチラホラ。音楽はアート(芸術)であるべきか?とか色々なことが頭を過る・・・ 昨年のTim Heckerでもそうですが、音楽との向き合い方及び接し方についてまた考えさせられたいい機会だったかと。

NINE INCH NAILS@新木場スタジオコーストDay3

アレッサンドロ&アイラン&ロビン「( ゚д゚)・・・」

さて、千秋楽の三日目です。本来なら3月1日のタイで行われるフェスに出演予定だったのですが、政情不安定につき中止なって急遽日本で追加公演が行われる運びに。(前2日がソールドアウトにつき追加という体裁ですが、仮に会場を抑えていても渡航の都合上翌日に出国して当日にタイで公演は不可能だと考えられます。)
僕自身もなんとか都合をつけて到着出来たので安堵しましたがw 19:10分ぐらいに会場入りしてフロアを見渡すと7〜8ぐらいは埋まってましたね。恐らく今日来たのはコアなファンじゃないかと思ってました。2階席はカーテンで封鎖されてフロアのみって感じに。客入りはこれぐらいの方がゆとりがあってちょうどいい感じ。大体日本のハコは入れすぎ詰め過ぎ(ry

  • SET LIST

1.All Time Low
2.Sanctified
3.Disappointed
4.The Beginning of the End
5.Came Back Haunted
6.Echoplex
7.Various Methods of Escape
8.Survivalism
9.Me, I'm Not
10.The Warning
11.Copy of A
12.The Great Destroyer
13.Find My Way
14.Only
15.Hand Covers Bruise※
16.Beside You in Time
17.Gave Up
18.Hurt
19.1,000,000
20.The Hand That Feeds
21.Head Like a Hole
Social Networkのサントラの曲

  • 感想




アレッサンドロのソロ(3日続けて全部同じとは・・・)があっという間に終わり、気怠いイントロからやはり新作からAll Time Lowからスタート。一曲目からこれを持ってくるか―と思いつつ、やっぱりラストでYou get me closer to god!って歌ってははーんという気分に。ATLやるって事はCloserやらないんだよなぁと寂しい感じも。海外ではCloser Snippet(クローサーの断片)なんて呼ぶ向きもあるそうで。そしてSanctifiedへときて、また新作からDisappointedをプレイ。初日と三日目と聴いて思ったのですが、これはNINなりのハウス・ミュージックだろうと。ヘドバンとかよりも横揺れで踊りたくなる感じに近いかな。そしてまたしても
ハイパー胸タンバリンタイム!

でした!w
ここから前日はやれなかったThe Beginning of the Endまでずっとタンバリンタイムだったような気がします。奴は筋肉で音をナラシテイルンダ!
そのTBOTEですが、歯切れのよいアイランのドラミングが魅力的。そしてギターを抱えつつタンバリン職人(ry この辺から様子見だったファンも前に押し寄せてくるようになりましたね。
ほーん、ほーん、ほーんてっ!とのコールと共にCame Back Hauntedをプレイ。ここでも大きな盛り上がりを見せていました。コピオバとホンテドはもはやテン年代おけるNINのクラシックソングですね。
続いてプレイされたのがミニマルかつポップなナンバーのEchoplex。バンドにおける繊細な部分が垣間見える曲だったようにおもえます。(でもホントのところはDisciplineやって欲しかったなぁ。)
それから新作よりVarious Methods of Escapeを。ややベース分とビート感が音源に比べて弱かったような・・・ 後半の生ドラム入りは良かったですが。これは次のツアーでも調整されるでしょう。そろそろ最終日だしはっちゃけたいなーと思ってた矢先に来ましたSurvivalismが!近くにいたノリの良い外人と共謀してモッシュピット発生させましたよ!やるときゃやるぜ!と、ウルトラハッピー!な気分になりつつMe, I'm NotThe Warning(未だにMy violent heartと間違える・・・)と続きます。なんだかこの日はエレクトロニックな曲中心だなぁと油断したところでCopy of A!中弛みしないようセットの流れを考えてるなーと関心。そしてトレントが歌の入りをミスっていたw おいおい頼むよ〜日本はリハ会場じゃないんだよ〜(苦笑)ここでもウボァーモッシュピット生成に躍起になってた私。(ここでピットを作るときは人を無理やり押した方がいいと覚える)
さて、ここで珍しくYear Zero収録のThe Great Destroyerをプレイ。前回の単独来日は2007年の5月頃で、ちょうどYear Zero発売直後で数曲しかやらなかったのですよ。だからこの曲は貴重なわけで。要するに本邦初っていう。だがしかしここで問題が。
テテテテテテン、テテテテテン、Say you name,Try to speak as clearly as you can. You know everything gets written down〜♪と歌ったところで突然の演奏中止。これには他のメンバーも
アレッサンドロ「( ゚д゚)・・・」
アイラン「( ゚д゚)・・・」
ロビン「( ゚д゚)・・・」
トレント「何も聞くな、やっちまったみたいだ」
ヽ(´Д`;)ノアゥア… これは・・・トレントが歌詞を忘れた? スタッフが出音をやらかした? それともライティングが気に入らなくてトレントが止めた?(リハと違う!とか。)真相は闇の中に・・・w  ステージ向かって右に居たスタッフに何やら話しかけに(どやしに)行く鬼軍曹。昔だったらマイクスタンドフルスイングだったかもしれない(;´Д`)
仕切り直しで再度プレイしても皆好意的に受け入れていた模様。トレントが一通り歌いきった後あっさり奥に引っ込んだアイランとロビンに思わず笑いましたが。
ロビン「アカン、トレントごっつうキレとるで・・・」
アイラン「ほな関わらんとこ・・・」
と思っていたかは分かりませんが!メンバーが弾いたあとは鬼軍曹の独壇場。ハイパーノイズDJタイム

ノイズの雨に撃たれましょ!とでも言わんばかりに削岩ノイズに攻め立てられまくりましたw これはとても良かった。しくじった怒りをそのまま音に(ry
会場が感触的なライティングに包まれてFind My Wayへ。終盤でトレントがギターでシューゲイジングしてたのが強く記憶に残っています。Hurtと歌詞がリンクするこの曲ですが、歌詞よりもそのまま音に浸っていたい。そんな気分にさせてくれました。

Onlyを挟んで初日と同じくHand Covers Bruise〜Beside You in Timeの流れで。冒頭部分が流れた時には歓声が上がっていました。皆把握していたのでしょう。(やっぱりコア層が集まっているな?)この先のツアーでもこの流れはセットになるのでしょうね。音が波状のごとく攻め立てるライブアレンジは結構好きですな。
ここまでエレクトロニックな曲が中心でしたが、漸くバンドサウンドで聴かせるセットにシフト。Gave upでもモッシャ―が増えてきましたね。女の子も果敢にも突入していて微笑ましかった記憶。そしてHurtがプレイされたしもう終わりか?と思いきや即座に1,000,000をプレイ。不意打ちを食らってちょっとビックリw ピョンピョン飛び跳ねつつエンジョイ。ラストのThe Hand That Feeds〜Head Like a Hole定番二曲をやり終えてこの日のライブは終了。終わってしまった・・・

  • 雑記&総括

単独公演としては七年ぶりとなる日本ツアー。といっても新木場スタジオコースト3Daysですが。所謂視覚効果に頼らず、生の(包み隠さず裸の)音でNIN2014としてスタートを切りました。人によってはいろいろ意見が別れるとは思いますが、現在進行形のバンドとして十分すぎるほどにアピールしたんじゃないかと思いますよ。エレクトロニックなサウンドを中心に置きつつ、そしてバンドサウンドとしての熱量をも冷めることなく送り込んでいたかと。新作からの曲も大盛り上がりだったですしね。重ねて言いますけど新作の曲が好評なのが本当に素晴らしい。なんかファンの若返りが始まっているのかな?実際フジ(の動画)で初めて見てファンになった方も多いみたいですし。最少人数の四人で演奏するということでそれぞれ緊張感を持ってプレイされていたわけで、ややスリリングなきらいもあったような。曲によってはアレンジ変えた方がいいんじゃない?と思うところもありましたが・・・w そこは鬼軍曹の指導の元、ビルドアップしてくるでしょうね。
今回のセットは
初日→新作をフォローアップした最新セット
二日目→新作からの配曲を封印しクラシックナンバーで固めたセット+HTDAのサプライズ
三日目→新作をフォローアップしつつもエレクトロニック曲を中心としたセット
ってな感じですか。やっぱり3日間行ってワンセットだったように思います。まぁ、平日に3日間も行けって普通に考えれば無理ゲーw まぁ、行ったけどな(白目 これだけbベテランアーティストだと選曲が難しいのもおもおも承知ですが、また次回にでも。来てくれよ!?
あとメンバーについても触れておきましょう。トレント(・レズナー)は相変わらずガチムチ鬼軍曹だった。変な袴っていうか褌っていうか何だあのファッション。カバディみたいなムーヴしよって!あと胸タンバリン職人。はー、俺も体鍛えよ・・・ 次、アレッサンドロ(・コルティーニ)。シンセやらアナログ機材やらパーカッションやらギターもベースもせわしなくこなしていたのですが、特に記憶に引っかかることがない・・・ あれですか、縁の下の力持ち的なあれですか。それともサウンドをまとめる屋台骨みたいな。多分に貢献度は多かったでしょう(投げやり でも手を振ったら手を振り返してくれたので最高にナイスガイ。その次。アイラン(・ルービン)。ハイパーマルチアフロプレイヤー。シャープシューターなドラマー。(特にLetting Youは秀逸)そしてタンバリン係。そしてロビン(・フィンク)ですよ。変な髪型に変な服装に変な動きw(ここでロビン・フィンク過激派は思考停止する) それでもGave upの締めやCame back Hauntedの中盤のギターパートはむちゃくちゃかっこよかった。後者はあの前後に揺れつつ弾いてるっていうアレね。

まぁ、なんか取り留めの無い感想になってきてしまったな・・・w なんていうかさ、アレだよ、
また来てね!いつまでも待ってるよ!

こんなところで締め。最後に買ったものでもうp。

初日に戻る
二日目に戻る
おっと手が滑った