Brainfeeder@新木場ageHa


音楽プロデューサーにして比類無きDJあり、今やLAビーツの顔であるFlying Lotus(以下Flylo)。そのFlylo主催のレーベルBrainfeederがショーケースパーティを開催!過去3度開催されているパーティですが、今回遂にレーベル主催のFlyloがカムバック!(第一回に出演あり)豪華なレーベルメイトやゲスト、そして当然クルーも迎えて、更には謎のラッパー()Captain Murphyも参戦!(一体何者なんだ・・・) 過去2回Flyloを見てますが,行かないわけ無いだろ!というこでレポートなど。

  • 感想


(トイレの貼ってあったテメタボゥ)
開場に着いたのが大体23時前。既にメインフロアに入った頃にはSIMI LABが終わっててTeebsが重低音をギンギンに鳴らしながらプレイしていた。

ジャングルビーツも交えながら独特のグルーヴ感でフロアを揺らしていました。時折メロディックな音色を響かせたりなど型に縛られないポップアプローチがやや新鮮でしたね。途中一度抜けだして他のステージやギャラリーを一通り見て回ってきたのですが、まだ早い時間帯のせいだろうか過疎ってていたたまれ無くなったので元に戻って来ました(;´Д`) そうしてTeebsがフロアを温かくした後プレイは終了。この辺ぐらいからなのか20〜30分押しだったような。ちゃっちゃとセットチェンジが行われて、レーベルからデビュー・アルバムを飾る期待の新人Taylor McFerrinが登場。そう。ジャズ界の大御所ヴォーカリストボビー・マクファーリンを父に持つ真性サラブレッドの本人です。

(左がピアノとMPCやらミキサーやらをセットしたテイラー・マクファーリン、右がドラマーのマーカス・ギルモア)
まずはしっとりとピアノを弾くテイラー(・マクファーリン)。左にはかの伝説的ジャズドラマー、ロイ・ヘインズの孫であるマーカス(・ギルモア)が鎮座して申し訳程度にリズムに合わせる光景が。見た目と言い出音といい深夜のラウンジジャズ感あってやべーな?と思っていたのも束の間、テイラーが立ち上がってミキサーを弄りだし急にガンガンビートで押してくるではありませんか!モダンなヒップホップにインスパイアされたようなビートミュージックをベースにしつつ、エレクトロな展開やらジャズっぽい要素も取り入れて魅せつけてくれる。見た目ベビーフェイスな感じなのにプレイは結構エグいのねw 更にはここぞとばかりにマーカスもフリーキーなドラミングは魅せつけてうわっ、やべーなこれ!という感じに。ぶっといベースに生ドラムが被さる相乗効果ときたら!というかジャズドラマーなのにエレクトロなビートにかっちり合わせて尚且つ魅せるプレイが出来るってどういうことだよ・・・ ジャズドラマーは普通のドラマーよりも更に上のスキルを要求されるのでしょうか?と思わざるを得ないですね。 なんというかもう独特のサウンドスケープでしたわ。えれーもん見た・・・! 
お腹が空いたし、途中離脱してフードコートに行って飯。ジャークチキンサンドのLサイズ買ったらむっちゃ量あってビックリ。

ちょうどむしゃむしゃしてたその頃にtwiiterの某フォロワー氏に会って、日を跨いだ頃に発表があったknotfestのメンツやべーべ?やべーべ?と他愛のない話をした後にメインフロアの戻るとソコにはThundercatの姿が。



かの世界的なジャズドラマー、ロナルド・ブルーナー・シニアを父に持ち、ハードコア・パンク/クロスオーバースラッシュバンドのSuicidal Tendenciesにも在籍して腕を鳴らした輝かしい実績があるのは言うまでも無いでしょうが、実際見るとやっぱすげーわホントに。テンガロンハット?をかぶってややウエスタンな風貌で、見てくれのいかつさからは釣り合わない美声を発しつつ得意の六弦ベースで超絶技巧テクを披露していくという。しかしまぁ、どうやったらあんな音が出るのか。ただただ聴き入るばかり。スラップするベースと美声が相まってか絶妙な心地良さがあり、弱冠の眠気も誘っ(ry おっとこれはいけない(戒め)そしてこの時のドラマーのジャスティン・ブラウンもまたスキルが半端無くて。絶妙なグルーヴ感を発してブレイキングなドラミングを披露。この人もジャズ畑の人だそうで、良い奴には良い奴が集まって来るんですなー。というかマーカス・ギルモアもそうですが、こういうエレクトロなイベントなのに凄腕ジャズドラマーが類まれなスキルを見せつけるってのもなんだか不思議な感じ。あとセットの方ですが1stアルバムの「The Golden Age Of Apocalypse」と2ndアルバム「Apocalypse」からまんべんなくプレイしていた記憶。おーん?"Oh Sheit It's X"はー?(これについては後述)あとFLyloの「Until the quiet comes」からDMT songも披露していましたね。この時はマジでフワフワ空間でしたわ。そしてどこからともなく、
フゥーハッハッハッハッハー!!(低音)
という声が。するとサンダーキャットがステージ袖の方をチラチラと見始める。一体なんなんだ・・・ 何曲かプレイしていた頃にステージマネージャーが時間が押してるのでそろそろ巻いてくれという合図。それを見たサンダーキャットが確認を取り始める。マイクで喋りながら、いいの?このまま?休み無しで?と。何故か急にジャスティンがスパイダーマンヴィランのヴェノムのマスクを被りだすなどwそしてまたしても
フゥーハッハッハッハッハー!!(低音)
という声が。そうです奴です。サンダーキャットのステージングからセットチェンジ無しの連チャンでCaptain Murphy aka Flying lotusがやってきた!


まぁ、謎のラッパー()キャプテン・マーフィーとはFlylo本人なのは言うまでもなくw そしてあのフゥーハハハ(ryという低い笑い声は本人が普通に声を出していたことに驚き。低音ボイスいいなぁ・・・(筆者の地声が高い故)サンダーキャットのバンドをバックに従えてステージに飛び出した赤いTシャツ姿の面白黒人Flyloがまったりとしたフロウでラップしていく。あの万能黒人普通にラップうめーなおい!生バンドでラップするとクラシックなヒップホップユニットを連想しますね。もしくはラップロックバンドとか。 確か一曲目は"The Killing Joke"だったかしら。昨年には世界最強ビデオゲームことGTA VラジオDJを本人が務めるというFlylo FMが話題になりましたが、そこから初出となった"Evil Grin"もやっていたような。他にも数曲やってたかな。そしてバックのスクリーンには例のミックステープのDu∆lityを断片にサンプリングした映像やらアニメーションやらが映されてました。きわどいポルノの映像や何故かやりすぎコージーのパンスト顔の映像も映ってましたw と、かなり時間が押していたいたのか、正味20分ぐらいでライブが終了・・・ まぁ、ミックステープも30分ぐらいしか無いですしね。というかレーベル主が持ち時間を削って時間調整するとはなんて大人なんだ・・・!Flyloが「この後直ぐ戻って来るぜー!」と言ってステージ袖に帰って行き暗幕が降り転換スタート。
時刻は2:20ぐらいに差し掛かった頃、本日のメインアクトであり、ブレインフィーダーのボスであるFlying Lotusが満を持して登場。まずお決まりのMPC連打でサウンドチェックした後テスト映像が流れてライブパフォーマンスがスタート。



(みんなスマホで撮り過ぎ問題。でもこんなん見せられたら撮らないほうがおかしくね?っていう。)
毎度お馴染みFlylo feat.Elykah Baduの"See Thru To U"のアウトロの声が鳴り響き、スクリーンの3D映像が徐々に変形を見せていく。FLYING LOTUSとデカデカと映ってところでフロアは大歓声!そして更に変形をが始まり"The Diddler"→リル・ウェインのリミックスでお馴染みの"I feel like Dying"→"Sutan's Request"(ここで微妙にリズムをずらすお約束の流れ)と鉄板の流れへ。
これを見に来たんだよ!!
いやーすげぇ。マジ最高。フライング・ロータス大宇宙。これまでこの特殊3D映像システムのLayer3は過去二度ほど見てますが何度見ても凄い。Flyloが叩き出すコズミックなビーツとの脅威の相乗効果と言ったらもうね!スクリーン自体はそこまで大きくないし、実際にフジやエレグラの時と比べると過去最小だと思う。でも映像自体はどんどん進化しているという事実。相変わらずどこから見ても3Dに見える安心設計は健在。あとやたらフラッシュ連発でポケモンフラッシュを連想する程度に目に良くなかったなぁ・・・w でもまぁ音の方はフジに軍配か。室内の限界的なやつですな。野外は出し放題だし。それでもヒップホップ特有のBPM低めなダウンビートは強烈そのもの。特異な重低音が五感を刺激しっぱなしですわ。あとあれですよ、"Getting There"の映像と音の微妙なズレの心地良さ。あのPVでもお馴染みのスローな映像に独特なテンポで重低音ビートが流れててトリップ出来るわホントに。そしてここでもまたFlylo FMの楽曲もいくつかやってましたね。"Computer Face"(Flylo FM edit)に"Stonecutters"などなど。何故かゴジラのテーマが流れたりなど親日家のFlyloらしい一面もw
当然DJなのでサンプリングネタもバンバン出てきまして、TNGHTにダニーブラウンにほんの一瞬ポーティスヘッドのマシンガンイントロが流れたり、後は先日急死したDJ Rashadもかかってました。今振り返ると全体のトラックもややジュークを意識的に取り入れたセットだっようにも思えます。珍しく「Cosmogramma」から"Pickled!"をチョイスしてブレイクビーツも鳴らしてましたし。濃密な時間があっという間に過ぎ、ライブも終盤に差し掛かった頃。ここでサプライズが。


スクリーンにブレインフィーダーのロゴが点滅すると同時に、サンダーキャットが飛び入り参加してFlylo FMでもお馴染みであり、恐らくサンダーキャットの曲で一番知られてるであろう"Oh Sheit It's X"をここでかましてきたこと!何故あの時やらないんだろうと思ったらここでチョイスしてくるとは! ゲーマーにも知られてるこの曲をここに持ってくるとはやっぱりFlyloはわかってるヤツだわwww ノリノリで踊りながら歌うサンダーキャットを横目に、隣にいたFlyloはアジって踊ってるだけじゃねーか!という指摘はどうかご容赦をw もっと言えばベースで弾き語りしてるサンダーキャットも見たかったですが、コレはコレでアリということで。ここが個人的の今日のハイライトでしたね。で、当然アンコールもあって。Flyloが「ええー?もう演る曲ねーよ? どれ、ちょっと待ってみ? どれどれ・・・おっ、これがあったぜ!」(超訳)とそんな事を言いつつキャプテン・マーフィー名義の曲をラップしてFlyloのライブは終了。

濃密な70分のショウでした。個人的にも体力的に疲れたし、始発の絡みもあって終わったらすぐ帰りました。全体の総括として、LAビーツというか(クラブ)ビーツミュージックとジャズが絡み合ったドープでSWAGなイベントでした。それぞれのユニット&バンド&DJの特色が色濃く現れていたように思えます。フライング・ロータスを聴いてる時にぼんやり感じていたダークかつアシッドなジャズ性がイベントによって浮き彫りになり、EDM的な快楽とはまた違う酩酊感を伴った各人がレーベルに集まっている、そう思うのが適切かなと。今年中にはFlyloの新作がリリースされるそうですし(実際もう出来てるとの噂)、またクレイジーなアルバムとライブを届けてほしいと思いました。イベント自体は結構人が来ていたし、また継続して続けてほしいですねー。