Deafheaven@渋谷eggman

ポスト・ブラックメタル界の新星Deafheavenが約一年半ぶりの来日!昨年リリースされた新作の「Sunbather」が辛口レビューサイトのPitchforkで脅威の8.9&年間ベストTop10入り!(そのレビュー和訳記事はコチラ) そして各サイトのスコアを集積し、統計を出しているmetacriticで並み居る強豪を押しのけて年間トップを獲得!傍から見ると過剰にハイプされているようなきらいもあり、ジャケットのブラックメタルらしくなさを含めて一部の(頭の固い)メタラーを苛つかせている(爆笑) メタラーから嫌われるメタルバンドとしての地位を確立しつつある彼らですが、幾度かのメンバーチェンジを経てより強固な布陣となったらしく一体どんなライブをみせてくれるのか!前回のLTAB2012でのライブは語り草となっていますね。
以下感想とか。

  • 感想

eggmanって渋谷駅と原宿駅とどっちから歩いた方が近いんかなー?と思い原宿駅から歩いてみたが大して変わんねーじゃねーか!と憤慨しながらハコに着いたのが19:30ぐらい。当然Storm of Voidは見れず。(そもそも最初からみれそうな感じではなかった)取りあえず看板撮ってインスタにでも画像上げとくかーと思って撮っていたら横の階段からDeafheavenの新加入のStephen Clark氏(Ba)がアイス食いながら登ってくるじゃないですかw それを見たスタッフの方だか他バンドのメンバーの人だかがが「You're so Cute!」って言ってて草生えました。※↑の画像で右角に映り込んでるのが本人。
本日は前売り券がソールドアウトということもあり、場内はパンパン。で、最初に見たのが今回のツアーのメインサポートでもあるHeaven In Her Armsから。

HIHAは今回初めて見たのですが、随分前に聴いた「被覆する閉塞」の印象が強くて。そしてこのアルバムが個人的になんかダメでやや疎遠なバンドだったのですよ。で、こないだCOHOLとのsplitで出した「刻光」を聴いたら大いに印象が変わって。なんとも重厚なバンドになったなぁと。これはチェックしないとまずいな・・・と思いつつ当日を迎えてしまったわけなのですが(;´Д`) それでライブの方はどうだったかというと静と動のコントラスト(テンプレ文)と3本のギターのトレモロピッキングが織り成す重厚なハーモニー(ここもありがちなテンプレ文)がとてもヤバかったです・・・ でも一つ気になった事といえば、音源同様にヴォーカルが埋もれがちになっちゃうんですね。ソコだけが気がかりでした。でもラストに「秋宴の眩しさ」をやってくれたので良かったです。
それからセットチェンジを挟んでdeafheavenへ。




ヴォーカルのジョージ(・クラーク)くんの間近だったため、ジョージくんのアップばかりになってしまったw
セットリストはこんな感じ。
1.Dream House
2.Sunbather
3.Vertigo
4.The Pecan Tree
〜アンコール〜
5.Unrequited
まぁ、全公演一緒だったみたいですね。
開演と同時キーンと空間を埋めるようなノイズが響き渡る。割りと耳に優しい空間設計。メンバーが順にステージへ登場。ラフな新メンバー三人、相変わらずメガネ姿がナードで短髪デコッパチな割にヤンキーの息子ライクに後ろ髪を縛っているケリー氏、そして黒いドレスシャツにぴったり目のスキニーで革靴を履き、指ぬきグローブをはめてブラックメタルらしからぬフォーマルな出で立ちのジョージくん。軽くサウンドチェックした後、右手ギターのケリー氏がメンバーそれぞれにアイコンタクトを取り、トレモロピッキングでギターを掻き鳴らす。継いで連動するように左手ギターのShiv Mehra氏もトレモロピッキングを重ね音の壁とでも言うべきサウンドを構築。ジョージくんもマイクスタンドを構えてフロア全域へ睨みを利かす。そして爆裂するブラストビート!!そう!Dream House
ヤッバァァイwwwコレヤバァァアァイwwwヤダァァアwwwww
この圧倒的なカタルシスたるや!
コレだよコレ!爆走する超絶新時代の幕開け感あるイントロ!最高!正にWALL OF SOUND。ジョージくんも凄みのあるスクリームをかましていて、観客を煽るようにヒョイヒョイと手を握りしめるポーズが印象的でした。あとどういうわけかファンに対して目線を合わせて見栄を切っていてややビックリw ライブの場数慣れしてきたことも関係あるのでしょうが、なんとも堂々と余裕のあるパフォーマンスにも見えましたね。(これは他のメンバーにも言えることですが)あと、なんといっても新ドラマーのDaniel Tracy氏の異様なタイトさにビックリ。とにかく走る走る。ブラストビートももたることもなく、完璧にリズムを制圧していました。ワンバスな辺りハードコア出自が伺えますな。中盤から後半にかけてのビートダウンもバッチリ決まってたし、静寂なパートからシューゲイジングサウンドへシフトして、英語で夢みたい!夢をみたい!と叫び散らすもキマってましたねー。正にドリームハウス幸せ夢空間
それからアルバムのタイトルトラックであるSunbatherへ。この曲もまたリズムチェンジしてからのブラストビートが苛烈でスバラシイ。前半のシューゲシューゲしてるサウンドから終盤まで怒涛のブラスト&トレモロリフで畳み掛けるさまは圧巻。勢いにノッてるバンドはサウンド面でも気合が違いすぎる。
続いてVertigoです。Vertigo。この曲を待っていたんだYO!もの悲しげなメロディを綴るイントロから、情感たっぷりなトレモロリフのウェーブへ導かれる。そしてケリー氏の流麗なギターソロの後、溢れんばかりの激情を爆発させるジョージくんのスクリームとどんどん加速するブラスト&トレモロリフ!!(二回目)もうコレはアレですよ、
D!F!H!V!N!
DFHVN!!(セックス!)
とまぁ、もうカタルシスどころではなくエクスタシーの領域ですわwww(明らかに勢いに任せている)
で、やっぱりドラムの勢いが落ちなくて驚愕。そしてまたブラスト&トレモロリフの波が押し寄せて昇天!Sunbatherのアルバムとしてもこの辺のパートが肝でもあるし、ハイライトでもありますよね。そしてぺんぺん草が生えない程に激情の炎で辺り一面を焼きつくしつつ、曲がもの悲しげに終わりを告げていくのでした・・・(この辺から燃え尽き始めている)
そういえばジョージくんが口々に「俺らはデフヘヴン、サンフランシスコ出身なんだ」とアピールしていたのが印象的でした。陽的な地元で陽的なブラックメタルか。ブラックメタルなのに明るい陽的なサウンドとはまた言い得て妙な感じ。あと今日の祝辞を述べてる時に「Daymare Records Forever.」と言って居ましたね。いや本当にその通りですわ。国内リリース&日本招致したデイメアさんに感謝。
本編ラストはのっけからドーバー海峡並みのブラストウェーブが押し寄せてくるThe Pecan Tree。思い思いの感情をブラスト&トレモロリフで空間を埋め尽くす。ここで一つ思ったのが、割りと偏執狂的に空間が音で埋め尽くされても全く苦でないどころか心地良いんですよコレが。↑の方で昇天やらなんやら書いてますが半分ぐらい本当。行った人には何となく分かる美的空間。音としてはブラックメタルだが、体感的にはシューゲイザー。これが正確なのかなぁ、と。後半に向けて煽情的なメロディが奏でれてきたところで漸く終焉を訪れる。この曲の幕引きが好きなんですよね。
最後にアンコールでやったのは前作の「Roads to Judah」よりUnrequited。個人的には前作の中では佳曲ぐらいにしか思っていなかったのですが、この曲のイントロを聴く度にバンドとしての繊細な部分が虚実に現れてるような気がして思わず( ゚д゚)ハッ!!となるなど。独特のドライブ感が曲を引っ張っていてなんとも扇情的。そして今の布陣でやるので曲自体がブラッシュアップされてるような印象も持ちました。締めにはメンバーの弦楽器隊が床やら屋根の壁やらに楽器を擦りつけたり、ファンに弄らせたりとややカオスなサウンドで幕引きしていました。特にジョージくんは投げキッスをして愛を振りまいていました。なんて野郎だ!w


余韻。事後感。当日券もソールドアウトしたそうで、これが結果でありいろいろな意味での返答でしょうと。これ以上はとやかく言いませんが。
とまぁ、70〜80分に渡る濃密なライブを魅せつけられましたわ・・・w やっぱりアルバムの評価の要因は確かなライブパフォーマンスにも一因はあるだろうと強く確信。重ねて言いますが、勢いに乗っているバンドはなんもかんも桁違い。そう痛感させられました。今を切り取ったバンドに出会えて良かった。そんな夜でした。