Oneohtrix Point Never@代官山UNIT

前衛現代音楽。

昨年Warp Recordsへと移籍した実験的音楽の鬼才、Oneohtrix Point Never(ダニエル・ロパティン)。そしてそのWarpからリリースされたアルバム『R Plus Seven』が各音楽媒体で軒並みベスト・アルバムに選出されたのも記憶に新しいですね。そのアルバムを提げ満を持して初来日!ということで行ってきました。以下感想とか。

  • 感想



会場に着いたのは19:30ちょい前ぐらいだったか。チケット売り切れ&当日券も無しということでロッカーも全て埋まっていた(愕然 フロアに入ったら既にオープニングゲストのPattenが演奏していた。なんかAutechreみたいな感じだな―と思いつつ、フラッシュバックする映像をぼんやり見ていた。ギター抱えて弾きつつブレイクビーツを鳴らしていてなんとも妙な感じ。ただDriftはカッコ良かったですね。19:45ぐらいに終わり、転換へ。
ダニエル自身がセットアップし、20:10過ぎぐらいから聞き覚えのある声のエコーが鳴り響きライブはスタート。
Still lifeキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

残念ながら(beta male)の方ではありませんでした・・・
因みに今回のツアーではヴィジュアルデザイナーのNate Boyce自身がツアーに帯同し、ステージ向かって左側でラップトップを操作し、映像を流すという趣き。↓のヤツが部分的に放映されていました。本人が作成したやつですね。

アンコール挟んで60〜70分ぐらいのショーだったか。ひたすら脈絡無く継ぎ接ぎのような音楽というか、(所謂ヴェイパーウェイブ感)カットアップとコラージュを足したような感じなのに一定のビート感があるので不思議。Boring Angelでは強くその印象を持ちました。しかしノイズ畑出身は隠さないのか、時折スパークするようにノイズが響いて流石だなぁ、と。ノイズ〜ドローンからビートミュージックへの以降に関してはドミニク・フェルノウのVatican Shadowとの類似点も。(ノイズ〜テクノならPrurientともとれるが。)それなりにビート感にはこだわりがあるようです。ただアンコールにやったドローンソングは心地良かった。
で、ですよ。映像についてですが鳴らしてる音との関連性のなさ!映像と音が連動するという訳でもなく。空間が変形する、物体のテクスチャが剥がれたり物体の変異を含む映像がひたすら反復して投影されていた。映像も音も反復していたといえば関連性はあるか・・・? それでアレですね、(アート)インスタレーションという趣旨に近かったのではないでしょうか。音楽をBGMに映像を直に鑑賞する、的な。例えばですが映像を伴ってもロックを鑑賞とは言わないでしょう?(この辺のニュアンス伝われ) WIREDでのインタビューでも見受けられるように、音楽をある種の芸術としている向きがあるようです。会場を丸ごとスクリーンとして扱ってビデオインスタレーションとしてやればよかったのかも。
ライブの評判自体は良かったようですが、何がどう良かったかと聞かれると答えに窮するのもまた事実。実際???な人や棒立ちで足が痛かったとも漏らしていた人もチラホラ。音楽はアート(芸術)であるべきか?とか色々なことが頭を過る・・・ 昨年のTim Heckerでもそうですが、音楽との向き合い方及び接し方についてまた考えさせられたいい機会だったかと。