MODERN LOVE Showcase meets KYOKA "IS(Superpowered)" Release Party@代官山UNIT

昨今の電子音楽の潮流であるインダストリアル・テクノ/ドローン・ダークアンビエントを牽引するレーベルのModern Loveがここ日本でショーケースライブを行う、ということで。しかもAndy StottDemdike Stareのレーベル2トップ!更には「踊れる電子音楽を標榜し、名門電子音楽レーベルのRastar-Notonから待望のアルバム「IS(Is Superpowered)」をリリースしたKyokaがリリースパーティを同時開催!これは行かねばばるまいと。先日のOPNの時にフライヤーを目にしてうわやっべ!うわやっべ!と思っていたのでw
以下レポートのような感想とか。

  • 感想


元々23:00開場開演だったのが後日23:30になったり、タイムテーブルが当日まで判明してなかったり???ってこともありましたが
これ系のクラブイベントではよくあることですね?w まぁそれはさておき。ぼんやりサルーンでUNITフロアの開場を待ちつつ、回りを見渡すと結構人がいるなぁと。割りと急な発表だったのに需要あるんだなぁ。で、24:00ぐらいにはUNITフロアが開場。
トップバッターはカセットレーベルを専門にリリースしているSludge-Tapes主催のmiclodiet

流石UNIT。出音が大きい。ベーシックな四つ打ちに不順な音が重なりあう・・・これはテクノイズ調な感じではないですか。いい感じに横揺れさせてくれました。またアナログ機材でDJしてるのも個人的にツボ。もっとこういう音楽広まれ。

二番手は私的に待望の来日となったDemdike Stare。昨年は3月に来日(メンバーのSean Cantyは病欠で不在)したり、Testpressingと題して怒涛の12"リリース4連発(しかも即完売)があったり、ミックステープがリリースされたり、メンバーのMiles Whittakerがソロ名義やらMLZやらでアルバムリリースしたりと相変わらず雑多な活動を続けていました。個人的に注目していたのは「elemental」以降のTestpressingリリースを経て音楽性がどのように変化しているのか確かめるいい機会だと思ってました。あと昨年のライブに行けなかったので約二年ぶりということもあったし。



やはりしょっぱなからノイジーな轟音。相変わらず場の空気を一変させるこの感じ最高。そしてVJには毎度お馴染みハマー・フィルムみたいな70sホラーのVHSをカットアップしたような映像が音に合わせてフラッシュバック。さながら暗黒異空間w プレイを見た感じではマイルスが薄暗い右奥でモジュール操作、左側でショーンがターンテーブルを使いつつラップトップで全体の音を同期、って感じですかね。このユニットの面白いところというか、デジタルとアナログのテクノロジーが混在してるとでも言いますか。淡々とプレイして轟音を出してるのもシュール。プレイ序盤はダークアンビエント〜ノイズ〜ドローンを行き来しつつ、「Elemental」からも一曲やっていたような気がする。中盤には強烈なパルスノイズが響いたり、Testpessing#002からGrows Without Boundもプレイしていました。これもまた強烈でノイズがウェーブのように襲ってくる感じでヤバかった・・・ 終盤にはドローンから急にビート感を強めて展開していくDyslogy(Testpressing#003)→Primitive Equations(Testpressing#002)と怒涛の攻勢に。それまで置いてきぼり感のあるプレイでやや棒立ちだった観客もインダストリアル色を帯びたジャングル〜ブレイクビーツに合わせて呼応するように体を動かしていました。このなんというか・・・ドローン・ノイズからブレイクビーツまでこんな幅広く手がけられるのこいつらしかいないでしょう!と、思わされた次第。電子音楽のみならず、時代の最先端を行っている。そういっても過言では無いでしょう。初来日の時は90分ぐらいやっていたようなきがしますが、今回は60分にぎっしりと音を詰め込んだ濃密なせっとでした。

三番手はModern loveの総統のAndy Stott

昨年3月の来日公演も盛況だったのも記憶に新しいところ。そのアンディですが、昨年末にはかのインダストリアル・ドゥームバンドのBatillusのリミックスを手がけて世界的に注目を集めたり、今年に入ってDemdike stareのマイルスと共にMillie & Andreaという変名ユニットでグレーに濁った奇形トラップ/ジャングルベース/ドラムンベースとでも言うべきなアルバムのDrop The Vowels」をリリースして周囲を沸かせていますね。そのリリースの影響もあってか、今回はブレイクビーツを多用したジューク〜トラップ〜ジャングルなプレイのセットになっていました。傑作Luxury problemsのようなダークなミニマルダブなセットを期待した人はやや肩透かしを食らったかも?まぁ、VJもなかったですしね。それでもプレイの終盤では「Drop the Vowels」から数曲やって盛り返していました。やっぱりシンプルかつダンサンブルなビートは否応無く体が動く。というかアンディ自身がそういうモードなんでしょうね。個人的にこれはこれであり。次のアルバムが出る頃にはまた作風が元通りになってそうですがw

四番手はこの日の主役?のKyokaさん。日本人なのでどうしても呼びつけでは書けない・・・w


アルバムのレコ発ってことで。今回は噂のモジュラーシンセサイザー(バラバラのモジュールをパッチコードでつないで構成するシンセサイザー)を用いてプレイを披露するということで、どんな感じになるんだろう?と期待していました。プレイがスタートした途端、早速Kyokaさんがいつもの左右に体を揺り動かすムーヴが始まるw そう、これを見に来た!そしてプレイの中身といえばアルバムの楽曲などをベースにしつつ、低音強めなビートに時折ノイズが被さったりポップかつキッチュなヴォイスサンプリングも重なるあの感じ。この・・・なんだろう、プレ・インダストリアル、プレ・EBMとでも言えそう感触。(近いところでFactory Floorとか)ジワジワと熱を帯びてくようなプレイがとてもよかったです。ただ、見た感じではKyokaさんがモジュラーシンセの操作に悪戦苦闘していたようにも見えました・・・w なんか明らかにトチった瞬間もあったような?即座にリカバリーしてりましたが。脇に補助の方がついいててプレイ中にもアドヴァイスを聞いていたようにも見えましたしね。(clock face modularの人だったのだろうか)それはともかくとして、トータルでは良いライブではあったので満足。今度は万全の体制で見てみたい感じも。アルバムも愛聴しているので。

この辺で体力の限界が来たし、ちょうど4:00過ぎ頃で始発もあるし、ということで帰りました。ふと振り返ると、コレ系のイベントでUNITがパンパンになっていてビックリした印象が。先日のOPNもチケットソールドアウトだったし、エクスペリメンタルな電子音楽の需要が高まっている機運が高まっていると実感。アレとかアレも呼んでくれや!それはそうと、モダンな電子音楽に直で目撃出来たいいイベントでした。