マン・オブ・スティール

夏の終わりの超大作を見てきましたよっと。製作総指揮は「ダークナイト・トリロジー」のクリストファー・ノーラン!!監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」、「300」、「ウォッチメン」のハッタリ野郎のザック・スナイダー!! ということで期待高まる〜。以下あらすじと感想。

  • あらすじ

遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・というわけではなく。ここは惑星クリプトン。高度な文明を持っていた星。度重なる行き過ぎた採掘により、惑星は危機に瀕していた。もうこの星はダメだ・・・と察したクリプトン人の指導者ジョー=エル(ラッセル・クロウ)は、産まれたばかりのカル=エルと名付けられた息子にコーデックス(クリプトン人再生の全てが記録されている鍵)を託し地球へカプセルのようなロケットを飛ばして避難させる。その一方でそのコーデックスを求めてクーデターを起こしたゾッド将軍(マイケル・シャノン)は苦渋の決断で友でもあったジョーを殺害してしまう。政府軍にその場を抑えられたゾッド将軍御一行はフリーズ加工を施されて遥か彼方の宇宙に流刑となる。その後間もなくクリプトン星も大爆発を起こして消滅してしまった。
それから30年後。カル=エルはジョナサン(ケビン・コスナー)とマーサ(ダイアン・レイン)のケント夫妻に拾われ、クラーク・ケントヘンリー・カヴィル)として成長していた。幼いころから事あるごとに奇跡的な能力を発揮していたクラークは、両親からその力を人前に晒さないように教育されていた。しかしある事をキッカケに公然と晒してしまったクラークは、回りに恐れられ傷つき苦悩してしまう。見かねたジョナサンはクラークに真実を打ち明ける。「お前は私の息子だが、本当は別の星からやってきた。この星にやってきたのは何か使命があるはずだ」、と。その後青年になってからハリケーンで義理の父のジョナサンを亡くす悲劇を負ったクラークは、自分の使命を探す旅に出る。その先々で奇跡的な能力を使って人々を助けていくのだった。
クラークはカナダへと旅立つ。氷河に謎の物体が埋まっているという一報を知ったからだ。その物体はクリプトンの宇宙船だった。そこにクラークを追って忍び込んだロイス・レインエイミー・アダムス)が警備システムに襲われるがクラークが救出し、安全な場所へと避難させる。それから幼少期から肌身離さず持っていたコーデックスを宇宙船で使うと実の父のホログラムが出現する。そこで実の父のジョーから全てが告げられる。最終的にこのまま身を隠すか、クリプトン人と地球人との間を取り持って救世主となるかの選択を迫られることに。そんなさなかにゾッド将軍一行が復活して地球に居る唯一のクリプトン人=クラークの引き渡しを求めてきた。ゾッド将軍の目的は当然コーデックスを奪取することである。遂に自分の使命を察したクラーク。
人類の運命を賭けて、空前絶後の大バトルの火蓋が切られた――!

  • 感想

まず何よりも突っ込みたいのはこのヘンリー・カヴィルの体!

なんだこれは!
半年〜一年?ぐらいかけて専属のトレーナーに従い、スーパーマンらしい体を仕上げていったそうです。初見で見た時思わず吹き出しましたw それにしてもなんだあのゴリライモは!!
それとスーパーマンの衣装といえばあの青いパンツルックですが、今回は廃止されて見違えるようなスーツスタイルになってましたね。あれはあれで良かったと思います。だって昔のまんまだったらダサいし・・・w それでも赤マントは健在なんですなぁ。
それにしても今回のマン・オブ・スティール(以下MoS)はCGと破壊描写が凄まじかったです。漸くクラークが能力を全力まで引き出してあちこち飛び回るシーンでは見てるこっちにも爽快感が伝わってきて見事でしたね―w ああいうピュンピュン飛び回るシーンにおいて、我々ドラゴンボール世代には感慨深いところがあります(あのハリウッド版ドラゴンボールの悪夢を消し去りたい・・・)。この映画ではドアを開けて入るという概念が無いのか、とにかく建物に突っ込むorブッ壊すシーンがとても多い気がしました。なんでもぶっ壊せばイイってもんじゃねーよ!www 物語終盤の対ゾッド戦ではもうあっちこっちでビルが倒壊しまくって、もはやグラウンドゼロレベル。ポスト911以降では最大レベルのビルの倒壊が続いて、半ばアメリカ人にはショック療法的に感じられたのでは。流石にこの描写にやり過ぎの声も出るのも納得。ヒーローだったらあっちこっち壊しまわってもいいのか!っていうね。悟空が戦いの前によく言う「場所を変えようぜ・・・」っていう意味を漸く理解した気がします。
あとMoSのキャスティングはヘンリー・カヴィルマイケル・シャノン(日本以外ではではそうでもない)の知名度の低さをカバーするかのように脇を名優で固められていましたね。特にケビン・コスナーの父親役のドンピシャ振りといったら!あんな父親だったらだれでも尊敬すると思います。他にもラッセル・クロウロイス・レインの上司役でローレンス・フィッシュバーンが出ていたりとか(モーフィアス何とかしろよ!とか思ったり)。あと僕の感覚ではエイミー・アダムスがあんまり美人に見えなかったです・・・苦笑 
あとちょっと驚いたのはクリストファー・メローニが出ていたこと!あまり馴染みが多い人はいなさそうですが、海外ドラマではとてつもない人気を博している人でして。

Law & Order SVU(性犯罪特捜班)というドラマに1〜12シーズン(現在シーズン14〜まで放送中)まで主役の刑事として出演していて、全米なら知らぬものは居ないほどの方なのですよ。日本ではFOXTVでほぼ毎日放送していて見慣れているので、出演シーンでニヤニヤしていましたw
物語のところで印象深かったのはゾッド将軍が完全なる悪、では無かったところなんですよね。苦悩しつつもかつての旧友を手にかけてしまうところや、あくまで目的はクリプトン人の文明復古と再生を目論んでいるところというか。何故私が非難されるのかわからないっていう。クラークことスーパーマンが地球人との共存共栄を望んでいるのに対して止む終えなく戦う事になるところに、ある種のもどかしさすら感じました。そこは良く出来ていたと思います。それとよくアメコミで有りがちな、ヒーローになるまでの導入部でクラークは殆ど悩むこと無く一直線に進んでいたような気が。最近では珍しいぐらいアッケラカンとしててちょっとビックリ(これが他の映画だと、出来ないだの無理だのとグチグチ言い出す。特に日本映画。)。
今回のMoSで危惧していたクリストファー・ノーラン特有のおざなりなストーリーのダメさ加減がハッタリ野郎のザック・スナイダーで破壊描写でいい感じに中和されててよかったんじゃないかと思いました。またダークナイトみたいなことやられてもね・・・っていう。
アメコミファンはともかく、少なくともドラゴンボール世代は必見。あの空中戦だけで元は取れるのではないかと。そんなおもしろぶっ壊し映画でした。