Boris@新代田FEVER 〜From the past, the present and through to the future〜 DAY1

今年に入って立て続けにいつものリリースラッシュ(厳密には去年の暮れぐらい)が続いていて、リスナー及びフリークに嬉しい悲鳴を出させていたBoris。彼らが2011年の12月以来のヘッドラインショウを東京で行うということで。しかも2Days!何故2DaysかというとBorisは4月後半から5月中旬ぐらいまでアメリカでツアーしていたのですが、そこでレジデンシーショウと称して主要都市で2日間連続公演を行うという趣向のライブをやっていたのですよ。その趣向というのが全キャリアを振り返ったベストセットの日(未発表新曲も含む)と、ドローン/ノイズ/エクスペリメンタル系の曲と昨年11月のLeave Them All Behindでも披露されたflood(リアレンジされている)を加えた日の二日間という。それを日本でもやろうということで。
これを私が行かないワケがない!w というわけで感想とかまぁいろいろと。両日共にゲストが参加していて、初日がBP.、翌日がSlight Slappers。初日はベストセットの日でした。

以下感想のようなレポートを。

  • BP.



COALTAR OF THE DEEPERSのイチマキって人がやってるバンドってぐらいしか知らなくて。いったいどんなバンドなんだよ、と。つまんなかったらどうしようかなんて思ってましたがそれは杞憂でした(汗
基本的にはCOTD同様にシューゲイザーっぽい感覚をパンク・ハードコアのタームの中で鳴らしているのだけれど、ところどころにメタルっぽいフレーズを隠しきれてないのが微笑ましかったり。ステージ中央で弾くイチマキ嬢の可憐な感じも良し。ただ若干声が小さかったかな。まぁそれはいいとして。それとステージ向かって左手ギターの方のゆる〜いMCや怒号のようなスクリームもインパクト大。あとドラムの痩身メガネ女子が異彩を放ってましたw なんだあれはw トータルで見てなかなか良かったので関東にまた来る機会があれば見たいと思った次第。(BP.は静岡のバンド。マーチ売って高速代稼いで帰らないと、なんて切実なMCもあったw)




ステージのセットチェンジで暗幕がしかれ、BP.終演後およそ30分後にスタート。一曲目は最近のライブでもお馴染みのCosmosから。Pinkの決別ライクな感じにも聴こえるスラッジmeetsシューゲイザーなナンバー。クリーンなヴォーカルに反するようにウォールオブノイズを築き、一気にフロアを別空間に。因みにこの曲は元Crippled Black Phoenixで、現SSWとして活動しているJoe VolkというミュージシャンとのスプリットLPに収録されていて。更にこれがポーティスヘッドのジェフ・バーロウ主催のレーベルのInvadaからリリースされているという繋がり。ジェフ・バーロウとは2007年にAll tomorrow's partyでポーティスヘッドがキュレーターを務めた時にBorisを呼んだ時に知り合ったとか。
続いて虹が始まるとき(英題:Rainbow)へ。この曲はつい最近までサポートとして参加していた栗原ミチオさん(Gt:Stars,Ghost,ex-YBO2)有りきで作られた曲なのですが、三人でやるのは初めて見たかも。栗原さんのギターソロパートを代わりにワタさん(Gt)が弾いていてこれはこれで新鮮。でもやっぱり栗原さん抜きだと寂しく思ったり。(あの切り裂くようなギター・ソロがやっぱり聴きたい・・・)
そして定番ナンバーのPinkメッセージ(英題:Statement)では珍しくモッシュが発生していて今日の盛り上がり振りを示してましたのね。いつも思うのですがメッセージのイントロのブースト音のようなギターリフ、あれおかしいでしょwww なんであんなブオオオオってなるのか・・・w だがそれがいい
で、そのPinkとメッセージの間に新曲のVanillaを挟んでましたね。この曲は異色のメジャーリリースとなった「New album」辺りに入っていても可笑しくない歌メロチックなナンバーでした。これもこれでかっこ良くて良し!(思いっきりThumbs Up てかベスト選曲とかいいつつも新曲を入れてくるのが憎らしいw
それでまたまた新曲。Angelという曲だそうな。以前ワタさんと朝生愛さんとでスプリットをリリースした時にも同名の曲(故北村昌士が率いたCanis Lupusのカバー)が有りましたが、アレとは別で。この曲はBoris流儀のサイケデリックかつアトモスフェリックなスラッジナンバーだったかな、と。何に収録されるかはまだ未定ですが繰り返し聴きたくなるような曲でしたね―。
ここで一度ブレイク。最近になってMCをするようになったアツオさん(Ds)から今回のライブの趣旨について説明が。今日のライブはUSツアーの流れでやっていてこの後はオーストラリアツアーが直ぐに控えていると。以前からライブを2日に分けてやりたいアイディアはあったけれど、昨年にfloodをやった時に具現化したそうな。
そして「今日はロックパーティなんで楽しんでいってください」というMCの後に演奏されたのが懐かしのHeavy friends!! うおおおお!!! Heavy rocks(2002年リリースのオレンジ盤)の冒頭を飾る激重サイケストーナーナンバーに思わず身悶えw なんだかんだで奇をてらったようなことをやっているように見られがちなバンドですが、元はこうなんだよと。
その次がまさかの極初期のナンバーであるHamaかまして撃沈w こ、これをやるかぁ・・・w 酩酊感のあるムードが続いたと思えば全てをなぎ倒すようにロックンロールをブチかます。まさにSTONED&CRUSHED。これがBorisいやBORISのヘヴィロックの醍醐味。中間パートの渦を巻くようなリズムがさながらスペースジャムのようにも聴こえましたよ本当に。Heavy friends→Hamaの流れが個人的にこの日のハイライトだったかと。
それからDyna-soar1970と骨太ヘヴィロックを立て続けにプレイ。特に前者は個人的に思い入れがあって。初めてBorisを見た時がMerzbowと一緒にやった時なのですよ。所謂Rock Dream(ライブ盤。2CD/3LP)の日。確か客が三割外人だったような中でその時にアンコールでこの曲をやってモッシュしたのがずっと思い出に残っていて。因みにアナログ盤のみDyna-soarが収録されてます。あっ、1970も当然のように良かったですよ。僕もずっとトバしていきたいです!(切実
締めは勿論決別(英題:Farewell)。ファンの間でもお馴染みだし、かの映画の「告白」でも重要なシーンで流れていたりするし、今更説明不要でしょう。視界を奪うほどのスモークでステージもフロアも充満し、そして轟音の渦もフロアを満たす。あぁ、Borisのライブに来ているんだなぁ、って。いつもながら実感しますね。これで今日のライブは終了。トータル90分のショウだったかな。回りを見渡すと一様に皆満足気な表情をしていたのが印象的。

  • SET LIST

曲名を書きだす序にご新規ファン向けに収録されてる音源も明記しておきます。(ベスト盤リリースもありますがそれは敢えて除外)

  • 1.Cosmos (Boris/Joe volk - Split : LP/Digital)
  • 2.虹が始まるとき (Boris with Michio Kurihara - Rainbow : CD/LP)
  • 3.PINK (BORIS - PINK : CD/LP)
  • 4.Vanilla (未発表新曲)
  • 5.メッセージ (BORIS - SMILE : CD/LP ※国内盤は原曲をリミックスして原型を留めていないので輸入盤推奨。)
  • 6.Angel (未発表新曲)
  • 7.Heavy friends (BORIS - Heavy rocks : CD ※2002年リリースの方。オレンジジャケ。)
  • 8.Hama (BORIS - Amplifier Worship : CD/LP)
  • 9.Dyna-soar (BORIS - Heavy rocks : CD ※同上)
  • 10.1970 (BORIS - Heavy rocks : CD ※同上)
  • 11.決別 (BORIS - PINK : CD/LP ※同上)

こうやって収録音源も明記しましたが、大抵の場合輸入盤の方がジャケ違いだったり、ミックス違いだったり、曲が長かったりします。こう、ファン泣かせなバンドなのですよ・・・w どれを買うかはまぁ、お好みで。

今思い出しても最高なライブだったし、過去から未来までを見据えたライブという趣旨も大分理解出来ましたね。いやぁ、本当にHamaは良かったわ。

二日目に続く