キャビン※ネタバレあり

生贄を捧げよ・・・ 血を流すのだ・・・

ありとあらゆる“定番”をことごとく覆す噂の映画、キャビン(原題:cavin in the woods)を見て来ました。
海外予告

  • あらすじ

あるどこかの大型研究施設。うだつの上がらない中間管理職のおっさん二人がいろいろと嘆いてる様子。海外のどこの部署も失敗して頼みの綱は日本とアメリカだけだと。そしてまた嘆いたところでタイトルバック。(おや、これは・・・)
どこかのホラー映画で見たようなよくいる大学生の五人組。清純派美人の主人公とジョックス(体育会系)とパツキンビッチと真面目理系と葉っぱ吸い過ぎなボンクラダメ人間w
彼らは山奥の別荘へバカンスに行こうとしていた。途中古びたガソリンスタンドに立ち寄るが、痰ばかり吐く怪しい老人に
「これ以上先に行って帰れなくなっても知らんぞ!」と警告を受ける。そんなの(´・ω・`)知らんがなと思ってる大学生達は、その先のGPSにも表示されない湖の畔にある森奥の古びた小屋にたどり着く。(ベタなロケーションw)気に入った一同は各部屋(何故かマジックミラーが備えられている部屋もある)に荷物を置き、湖ではしゃいだりしてバカンスを満喫。
その夜に「告白と挑戦」ゲーム(アメリカ版王様ゲームみたいなもの)をやっていたところ、突如地下室のへの入り口が開く。そこには昔の小屋の所有者が管理していたと思しき、異様な置物で埋め尽くされていた・・・ その中で怪しいノートに怪しい呪文が書いてあり、やはりというか主人公が読みあげてしまうというどこかで見た展開。その呪文に呼応するように地中からゾンビが目覚め、大学生たちを襲う! しかしそんな事は知らないジョックスとパツキンビッチは森奥でセックスしようとしてしまう。そしてやっぱりパツキンビッチがゾンビに殺されちゃうw また一人また一人ゾンビの犠牲に遭っていく・・・
ところ変わって冒頭の研究施設。大型モニターには先ほどの大学生がゾンビに襲われる様子が。なんとこれらの出来事は冒頭のおっさん二人が仕組んでいたことだったのだ!森の小屋へ誘導し、何者かに襲わせ殺させる。果たして彼ら研究施設の人間の目的とは?そして大学生たちの運命は? 物語は更に転がり続ける――。

  • 感想&ネタバレ

ココからネタバレ注意!




























































まさかのクトゥルフネタかよ!

そうなのです。クトゥルフといえばH・P・ラブクラフトが書いたホラー小説であり、昨今の神話体系の基礎を作ったアレです。(細かいことはggrks) 地球の世界各地の地下にはかの古き者たち(The ancient ones)が眠っており、その古き者たちを眠るから覚まさないために生贄を捧げる必要があったのです。太古からその生贄を捧げる事は続いていて、現代社会では政府管理下において繰り返されていたのでした。もし生贄作戦が失敗すれば古き者たちが復活して全人類が滅亡してしまうから大変。綿密に練られて計画されました。そしてその生贄に捧げる人選は決まっており、愚者(ボンクラorオタク)、知者(理系or文系)、処女(主人公)、淫売(パツキンビッチ)、技能者(ジョックスaka体育会系)。そして全員10代であること。
最初に死ぬのは淫売で、最後に生死を決するのは処女と決まっている。最終的に処女が残れば途中の死ぬ順番は構わないと。処女が最後に死んでも問題ないそうな。
それで上手いこと地下に研究施設のある山小屋に大学生たちを呼び寄せ、何らかの化け物に殺させる――と。その何れかの化け物も大学生たちにババ抜き形式で呼び覚まさせるというw この化け物もしっかり管理されていて、ありとあらゆるタイプが保存されています。ゾンビに限らず、幽霊に大蛇に大蜘蛛に殺人ロボに殺人ピエロに大蝙蝠に巨大タコに半魚人に狼男にシリアルキラーなどなど。劇中にユニコーンが出てきますが、当然化け物としてです。ツノで人間を突き刺す!w(そういう化け物じゃねーからそれ!)
それらが一同に介するシーンがあって当然人類大殺戮w なんだこの怪物大戦争は(困惑
まぁ、それはともかくとして用意周到に作られたロケーションがまんま過去のホラー映画オマージュだらけで笑いましたw 山小屋は「死霊のはらわた」だし、近くの湖は「13日の金曜日」だし、地下の処刑部屋は「悪魔のいけにえ」だし、例のエレベーターシーンは「CUBE」だし、あと「IT(イット)」のピエロとおぼしき化け物と「ヘルレイザー」のピンヘッドこと魔導師セノバイトっぽいやつもwそもそも殺られる大学生たちが「スクリーム」のルールに出てくるキャラまんまじゃねーか!っていう。あと言われて気づいたのがオープニングのタイトルバックがミヒャエル・ハネケの「ファニーゲーム」まんまでしたね。オマージュというかもろ改変して出してきた辺りに監督の悪意が見え隠れしているような・・・w 「これこれこういうのが見たいんだろう?」的なね。
あと山小屋を光学迷彩のバリアで囲っていて大学生たちはそんなことイザ知らず、道を隔てた対岸にバイクで飛び越そうとするシーンが有りまして。当然バリアに激突して死亡するのですが、見ている方はドリフの「志村〜!後ろ後ろ!」のようなツッコミ待ちの感覚に襲われて面白かったですwもしくはGTAのような箱庭ゲーでマップの限界に達して激突して死ぬ感じに近い。(伝われこの感じ!)
で、最後にはこの生贄儀式が失敗しちゃって、地中から邪神様が蘇ってしまうんですね。ありがちなハッピーエンドで終わらないところも意表を突いてると思いました。
全体な感想として、ホラー映画ファンに向けてメタホラーを更にメタ化したような映画だったかと。今までにもセオリーを逆手に取った「スクリーム」や「フィースト」なんかが有りましたが、更にその上を行っている映画だと思います。そしてこれは一回限りの反則レベルの大ネタなので、これを真似したりすることも出来ないし続編も作られることは無いでしょう(断言 そもそもホラー映画に対する需要ついて、「こういう奴が死んで欲しいorこういう死に方をして欲しいorこういう驚かせ方をして欲しい」というのがあると思うのですよ。それを実現させようとしてるのが劇中のおっさん二人組なわけで。ある意味でおっさん二人は我々観客の代弁者であり、実行者でもあるわけで。この辺も上手いこと皮肉が効いてるなー、とw これについて見る方も制作の悪意を汲み取らないとイマイチ面白さが伝わり辛いと思うし、見る方も試されてるんだ!!
そして究極のネタバレがまた一つ。




























































\デーン!/シガニー・ウィーバー登場!

ま た お ま え か

宇宙人ポールの“ビッグガイ”役に続いてまたか!今回はこのキャビンの研究施設の生贄儀式の監督役として出て来ます。もうこの人存在自体がホラー界のレジェンド化してますねw まぁ、エイリアンをぶっ倒した「宇宙最強の女」の称号持ってますしね。シガニー・ウィーバーチャック・ノリス・ファクトの登場が待たれるのであった・・・w

そして個人的にびっくりした事がもう一つ。エンドロールであのバンドの曲が・・・




























































NINE INCH NAILSの"Last"だーーーーー!!!!!

エーッ!?!?!?!?っていうwww 実は映画のネタバレに関してはある程度知っていたのでそんなに驚きは無かったのですが、これについては本当にビックリした・・・ とても大好きなバンドで生涯かけて追いかけてる信者なのでw この曲が収録されてるのがBrokenというEPなのですが、そもそもそれ自体が映画にマッチしているという・・・ 映画も最終的にThe ancient onesが復活し山小屋&研究施設=キャビンが崩壊(つまり「Broken」)して、人類が終焉(つまり「Last」)を迎えるというところでこれは捻ってきたなぁ、とw (因みにEPの曲順だとLastのあとがHelp me I am in hellなのであったw)
それはそうとして四年連続でNINE INCH NAILSの首謀者であるトレント・レズナー関連の曲を映画で聴くことになろうとは。2010年「鉄男 THE BULLET MAN」→2011年「ソーシャルネットワーク」→2012年「ドラゴンタトゥーの女」→2013年「キャビン」という具合に。
まだキャビン見てないのにここまで呼んでしまった人は楽しみが半減してしまったでしょう!ザマーみろ!m9(^Д^)プギャー