ダークナイト・ライジング

見てきましたよ、設定を近現代に再構築して表現したノーランバッツ三部作完結編を。いやぁ、凄かったなぁ・・・

  • あらすじ

あるどこかの上空。小型飛行機の中には、頭に袋を被された三人の悪人が。二人が始末され残るは一人。そして最後の一人が姿を表わす。口に痛み止めを吸引するマスクを付けた怪人「ベイン(トム・ハーディ)」。突如ベインの仲間が急襲。ベインを救出し、ある輸血した死体を残して飛行機は墜落。ゴッサムに大きな影が迫っている・・・

ゴッサム・シティのジョーカーの猛威から八年、そしてハービー・デント=トゥーフェイスの痛ましい事件から八年。デントの死後、彼の功績を讃え彼の命日を祝日とし、デント法(重大犯罪に関わると保釈を認められない)が成立した。当然彼が起こした事件について、ゴッサム市民は知る由もない。
デント法の成立によってゴッサムの犯罪率は激減し、かつて無い平和を謳歌していた。


一方、デント殺しの汚名を着せられた「ダークナイト」こと、ブルース・ウェインバットマンクリスチャン・ベール)は隠匿生活を送っていた。(表向きウェイン社の重役でもあるのに関わらず、会社の会議にすら出席していない)そんな頃、ウェイン邸にメイドとして潜入していたセリーナ・カイル=キャットウーマンアン・ハサウェイ)はブルースの指紋と真珠のブレスレット(GPS機能付き。すぐに返還される)を入手。彼女と対峙して逃げられたブルースは調査を開始する。

その頃ゴッサムの下水道では、ベイン一味が街を騒乱の渦にするためある工作活動をしていた。セリーナが引き起こした事件をキッカケに、ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)は下水道へと雪崩れ込む。そこでベインと邂逅するが、間一髪難を逃れることに成功。若き熱血警官、ジョン・ブレイク(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)に救出されるものの、入院を余儀なくされてしまう。

それを機にブルースはバットマンとして復帰を決意するが―――。

  • 感想

いやぁ、凄かったw 本当に凄いとしかいえない。紆余曲折を経てよく最後をまとめたなぁ、と。でも完璧な作品というわけでもなく、粗を探せばプロットがおかしかったり(どうやってブルースは牢獄からゴッサムに帰ってきたとか、例の黒幕の必要性とか)。でもそれを補うほどに派手なアクションシーンなどの名場面の連発w 例の「ザ・バット」(浮力どうなってんのこれ?w あと飛んでる時がヒラメっていうかタガメっていうか。カメムシっぽくもあるw)や、ラストの警官隊+バットマン Vs. テロリスト+暴徒化した市民+ベインの突撃シーンとか。あと、バットポッドに乗ってるセリーナのお尻とか。いやなんでも無いです!なんでもないですよ!

しかしまぁ、今作は前作の屁理屈をこねくり回したような話(これがいいとか悪いとかではなく)に比べて、比較的ヒーロー的な王道路線に立ち返っていたようにも思う。
それでも前作の悪と正義の境界線の概念は継承しつつ、ヒーローとして、バットマンとしてのアイデンティティの確立を改めて表現していたかなと。そうそう、今作の根幹的なテーマである、「登れ」=「RISE」=「Deshi Basara(例のチャント。アラビア語らしい)」。どのキャラクターにおいてもこれは重要な意味でもある。バットマンもベインも、そしてキャットウーマンも。それぞれ理由は違えど這い上がる(這い上がった)点は一緒。それぞれに確固たる信念があるように思える(セリーナは弱いか)。これは一作目のセリフでも出てきていたんですね。そのバットマン・ビギンズで屋敷が焼かれ、なんとか逃げたところで、ブルース「人は何故落ちる(堕ちる)のか?」 執事のアルフレッド「這い上がるためです」っていうシーンが。

そしてトム・ハーディが演じたスキンヘッドの怪人ベイン。これは非常にキャラが立っていて、よく出来ていたと思う。最初に撮影シーンをパパラッチされた時にみたカットでは、あまりにも小柄で大丈夫かよ?と思ったのだけれど、実際のカットでは全然そんなことなくて杞憂でしたよ。むしろカット割りなどで意図して大きく見せていて(上半身アップ多めで全身を映さないような工夫など)、逆にデカすぎて怖いぐらい。少し前には「裏切りのサーカス」でゲイリー・オールドマンとも共演していたけれど、全くキャラが違っていてびっくりw

あとそうだなぁ、ハンス・ジマーの音楽が安定してよかった。臨場感ありすぎてちょっとでしゃばりすぎてないか?と思うぐらい。できればあと2回は見に行きたい。内一回はIMAXシアターで。
とりあえずこんな駄文読んでないで劇場に足を運んだ方がいいかなと思います。今年の注目作の一つだと思うので。