M.A.S.F. 5th Anniversary@新代田FEVER

かのBorisも愛用し、国内外で幅広く使われている純国産エフェクター(ペダル)ブランド、M.A.S.F.が五周年を記念してライブイベントを開催!メインアクトにはおよそ八年ぶりの共演となるBoris with Merzbowが出演!これは万難を排して行かねばならぬ・・・!(因みにぼくが初めてBorisを見たのはMerzbowと共演した、所謂ROCK DREAMの日。) というわけで感想を。 


フロアに入ってまず目に飛び込んだのは大型拡声器と床に置かれたサブウーファーw ああ、これが爆音の宴かぁ・・・(苦笑)と率直に思いましたね。

  • Carre x Preparation Set

時は18:30ぴったりだったかな。最初はENDONなのかと思ってたけど違った。トップバッターはCarre(ケアル)と Preparation Setによるコラボレーションセット。ケアルは東京の二人組ノイズ・インダストリアルユニットで、対する Preparation Setは茨城県つくば発のバンド編成で硬質かつグルーヴィーなダブサウンドを弾き出すグループ。肝心の音はといえば、フロア中に重低音を響かせつつもスペーシーなダブサウンドで気持ちよかったですね。そこまでノイジーでもなかった気が。いい感じに音に浸れました。昨今のテクノイズ(PrurientやPete Swanson辺り)にも接近した内容にだったし、このライブは興味深かったです。

  • Endon



ケアル〜(ryが終演後、パパっとENDONの人たちがサブウーファーを撤収w なんだこれっきりなのかw それから来ました東京エクストリームノイズ集団ENDONが!
いやー、久しぶりに見たのですが凄くかっこ良くなっていた。というかちゃんとバンドの枠組みになっていたというか、ちゃんと曲になっていたというか。元々ノイズをベースにしつつ、メタルやハードコアを取り入れた複合的バンドだと思っていたですよ。しかし、リフがギュルンギュルンにウネってさながらノイズブラックの様相を呈していて思わず口があんぐり。ノイズバンドに整合性が生まれている・・・?というのもおかしな話ですが、少なくとも僕にはまとまりがあるサウンドに聴こえました。それでも瞬間風速的な切れ味は失っておらず流石。後半には強面なヴォーカル氏がハードコアなスタイルでアジっていて、やっぱりマインドはハードコアなのかな?と思ったり。恒例?のマイクスタンド投げも飛び出し、やはりヴァイオレンスなまんまなだったENDONでした。最高。(案の定マイクスタンドが運悪く当たって怪我をしてしまった方が居られたそうですが、関係者の迅速な対応により大事には至らなかったそう。よかったよかった。)



続いては灰野さんです。実は小箱で灰野さんを見るのは初めて。案の定、この日一番の爆音を放出していましたw 爆音大宇宙!! ノイズギター→テルミン&ヴォーカルエコー&ループ→かばん?のような楽器で弾き語りの順に構成されたライブだったかな。灰野さんの音楽と向き合うときは自分の波長を如何に合わせられるかが焦点になるような気がします。「何も変わらない」「何も変えられない」としきりに連呼していたのが印象的でした。灰野さんなりに世相を伺っているのだろうか・・・ つくづく思うのですが、ノイズやドローンというジャンルにおいてミュージックを音楽という二文字に当てはめてしまったのは実に罪だなぁ、と。そんな事をこの日に思ってました。
最後に灰野さんが、「どうもありがとう。」と言い残して去っていったのが何となく意外でした。(いつも無言で去っていくイメージがあったから)




SET LIST
1.flood
〜アンコール〜
2.メッセージ(Statement)
3.決別(Farewell)


さてラストは当然Boris with Merzbowです。今回は事前のアナウンスでこの編成でfloodをやるということになっていて。おそらく世界初?でしょう。
うっすらとスモークが立ち込めチャイニーズ・ゴングが鳴り響き、暗幕が降りてショウはスタート。
いきなりヘヴィーリフとノイズの応酬!!爆音の濁流に飲まれる!!
いやぁ、ガツンと来ましたね。それほど音量は大きくないものの(普通のバンドに比べりゃ大きいが)、足元からの地響きが凄まじいこと!それからスッと静寂なパートに入り、ただ音にたゆたう。この引きが好きなんですよね。それから高みに向かってゆったりと進行していく。
ダンダンダンダンダン(ry ダダン!!
抗いようのない溢れだす激音!!限界まで溜めて押し出される、ノイズが絡みあった心地良い爆音!! 確かにそれはありました。そしてゆっくりと収束へと向かう。いやぁ、気持ちよかった。ただfloodはMerzbowこと秋田昌美さんがBorisに合わせたような感じもしましたね。
今日はこれでおしまいかな?と思いきやアンコール。Atsuo(Dr)さんが今日のイベントについて祝辞を述べたあと、「ではこのM.A.S.F.ペダルでファズかけて〜」と言われて繰り出されたのがメッセージ(Statement)!! これでモッシュピットが発生したので思わず突っ込んでしまったw 強烈なヘヴィロックナンバーだもんね、しかたないよね!これも一応Boris with Merzbowの編成としては世界初かな。 そして最後の締めは勿論決別(farewell)。およそ八年ぶりに聴くBoris with Merzbowとしての決別は感慨深いものがありました。所謂ノイズを用いてロックという記号からの開放、もしくはノイズロックとしてのありかたの再定義をまた示されたような気がします。ここにこれがハマると最高なんだ!!!!!みたいな。今回もAtsuoさんがクラウドサーフを敢行し、イーヴルホーン(メロイックサイン)を掲げるよう則したり新年早々めでたいことになりましたね!そうして新年爆音大会は大団円で終わることが出来ました。去り際にAtsuoさんが「またどこかで〜」と言っていましたが、またすぐにでもやってくれてもいいのだよ?いややってくださいお願いしますm(__)m


秋田さんの機材。珍しくラップトップは持ち込んでいなかった。