My Bloody Valentine / Guest Act : 相対性理論@東京国際フォーラムA

My Bloody Valentineが2月の単独、フジロックに続いてまさかの今年三度目の来日!ということで。今回はワールドプレミアとして新曲やら未発表曲をやるよ!との告知があってwktkしてました。このライブの告知があったのがちょうど8月半ばぐらいで、一ヶ月半に開催予定とは随分急だなーとはおもいましたが。
今回のブッキングの仕掛け人はDOMMUNE宇川直宏この人。それで開催前に煽り企画の配信で色々やっていたんですよね。こないだのやたら音が小さかったフジロックのリベンジなのかな?と思ったら、バンド側からまた日本でやりたいんだけど、と各プロモーターにオファーが来たんだそうな。でも急なのでどこのプロモーターも何色を示したので、他のプロモーターからDOMMUNEでやってみない?と宇川さんに話が来たのが真相だったようで。
じゃあやってみよう。でもただ普通にやっても面白く無いから配信は無しで、ケヴィン・シールズの要望に沿った最高のサウンドプロダクションを設営してやってみようという話に。通常1万人規模で使うウーハーを設置し(東京国際フォーラムは5000人規模のホール)、サウンドエンジニアにはLIVE PAの草分け的存在である浅田泰氏に監修をお願いし、そして最高のボリュームを引き出すため東京国際フォーラム側にお願いして通常のボリュームの限度である100デシベルから、128デシベルまで上げてもらえることを了承。更に電気工事を施して電圧を40ボルトまで引き上げることに。128DB/40Vで尚且つウーハーが増設された未知のサウンドプロダクションという、マイブラ=轟音たる由縁を見せつける最高の機会を設けることになったわけです。
そして今回ゲストに選ばれたのが何故か相対性理論(?)。本当はここに爆音サイケとして有名な裸のラリーズをぶつけたい思惑があったそうですが、そもそも今現在活動してないし、中心人物の水谷孝氏に連絡を取る手段もなく流れたそうな。(水谷さーん!宇川さんにご一報を!!)いやまぁ、実現したら大事件だし、死人がでていたかもしれませんが・・・笑 
そんなわけで感想を。撮影禁止だったのでライブ風景の画像とかそういうのはありません。あー、でも入場のときに告知通りに耳栓くれましたね。結局使わなかったけども。

どういうわけかファンでもないのに見る機会があるという。フジロックに続いて二度目。
以下セットリスト

1.キッズ・ノーリターン
2.上海an
3.YOU&IDOL
MC1
4.BATACO
5.帝都モダン
MC2
6.ムーンライト銀河
7.たまたまニュータウン
MC3

ま、まぁ・・・フジロックの時よりは良かったんじゃないですかね?(何故か上から目線)
あんまり彼女らの事はよく知らないのですが、途中のサイケ・インストっぽい曲は良かったような気がします。つーかまるえつことやくしまるえつこって間の水飲みの時以外定位置から微動だにしないしないんですね、あれ。なんか蛍光楽器でノイズっぽいの出してたのは興味深かったですが。でもあれですよ、回りの演奏陣が意識低すぎる。わざわざコンサートホールまできてなんでハウリングノイズ聞かされなきゃならんの?って。ま、その辺は文句言っても仕方なさそうですね。最後に面白?MCだけ書いときます。
MC1
相対性理論…バタン、キュー」

MC2
「耳栓、交換しよ?」

MC3
「バイバイ」

はい!以上!

※先に断っておきますが、私は熱心なマイブラのファンというわけではありません。面白そうだから、という理由で足を運んだわけです。あしからず。
それから相対性理論が終わって「ここから30分の休憩に入ります」とアナウンスがあって
ズコー!
となりましたね笑。長げーよ!まぁ、綿密なセットチェンジなんでしょうけど。その時に改めてステージ回りを見ると、左右ともに明らかにウーハーの数が多いことに気づく。期待高まる〜^^となっていた私であった。ケヴィン・シールズサイドの無駄に多いアンプの壁も相変わらず。だんだん客電が落ちていってライブがスタート。
ここで先にセットリストを。

(終演後にPA付近に人が集まっていたので近よったらセトリがあったので撮らせてもらった)
1.Sometimes
2.I Only Said
3.When You Sleep
4.New You
5.You Never Should
6.Honey Power
7.Cigarette in Your Bed
8.Only Tomorrow
9.Come in Alone
10.Only Shallow
11.Thorn
12.Nothing Much to Lose
13.Who Sees You
14.To Here Knows When
15.Wonder 2
16.Soon
17.Feed Me With Your Kiss
18.You Made Me Realise

一曲目はまさかの"Sometimes"だったのだけれど、期待してたほど出音が大きくなくてまたしても
ズコー!
となりました苦笑。あれ〜?あれれ〜?とは流石に思った。しかし二曲目の"I Only Said"からはまた持ち直してズズン!とがっつり音量が上がって安心。というか曲をこなすごとにドンドンボリュームが上がっていたような笑(体感的に)。そういえば先日のBorisでもSometimesのカヴァーやってたし、同じ年にカヴァーと原曲両方聴ける機会もあるもんだなぁ、ってちょっと嬉しく思ったり。
それから先にメンバーの容姿についてツッコミを。遠目に見るとケヴィン・シールズがMelvinsのバズ・オズボーンやNapalm Deathのシェーン・エンバリーにしか見えねぇ!もしくはぽっちゃりしたお茶の水博士笑。あれがシューゲイザー博士なんでしょう、きっと!それに対してビリンダ・ブッチャー姐さんのお美しいこと。御年52歳なのに凛としててすばら。この日は全身赤のコーディネート(最近で言うとTropic of CancerのCamella Lobo女史みたいな感じ)でスラっとしてましたね。ケヴィンとビリンダ、( ^ω^ )どうしてこうなった!? 他二人については特にコメントはございません。
この日のライブについてざっくり回顧すると、轟音なのにも関わらずとにかく音がいいという印象が。ヴォーカルもギターも分離が良くてどちらかが埋もれるということが無かったように思える。これが専属PAの力量なんでしょうな。因みに今のPAはツアマネの人だそう(前任の人は新木場の単独でPAを担当していたが、ケヴィンにクビにされたそうな笑)。そして相変わらず出だしをしくじってやり直す曲があったり("New You"だっけ?)。バンド歴長いんだからがんばれよ!あと"Only Tomorrow"の時、歌う前にビリンダ姐さんが咳払いしてたところにグッと来ましたね。ヤラレタ〜。フジロックの時にはあまりいい印象が無かった「MBV」のドラムンベース曲の"Wonder 2"もこの日は見違えるほど良かったです。フジロックはこの日のための壮大な前ふりでありリハーサルだったんだよ!それと新作からの"Who Sees You"や"Only Tomorrow"なんかもCDと違いすこぶる良かったです。この日のライブのおかげで「MBV」の評価を見直さないと・・・笑 あれさ、「MBV」って音おかしいよ。ミックスダウンからやり直してほしいわ。なんだかモコモコしたようなサウンドだし。あとはまぁ、鉄板の"Soon"や"Only Shallow"は言うまでもなく最高でした。ところでOnly ShallowってCDとライブではイントロが全く別物の様に聴こえるよね。上手く言葉で説明出来ないのだけど、リズムは一緒だがメロディが違う、みたいな。
そして誰もがこの日のハイライトに挙げるであろう"You Made Me Realise"の中間部でのノイズジャムにおけるホロコーストタイムですよ。
ブオオオオオオオオオ!!!!!!
という約9分の真っ白な轟音。噂によれば音量が130DBに達していたとか。とにかく音に浴びるというか音の洪水に呑まれるという体験に近いですねーあれは。ここで思うのは轟音(高音)≠爆音(低音)ってことですな。Mogwaiマイブラのような高音で攻めてくるタイプは音圧は無いが、ひたすら真っ白な轟音で空間を埋め尽くす感じとでも言えばいいか。それに対してSUNN O)))やSWANS、裸のラリーズや不失者(灰野敬二)やBorisなんかは音を壁の様に構築し低音の音圧で押しつぶすというこの微妙な違い。理解してくれ頼む。というオタクじみた考察。ええと、これもついでに書こう。自分がいた席はほぼPAの左隣りだったので、PAの様子がよくわかるのですよ。そこで各レベルごとの音量メーターみたいなのが見えるのですが、どれも上に振りきれまくってて下がらないのが面白すぎた爆笑。なんなんだあれは・・・ そのPAの下にはDOMMUNEのボスの宇川さんや五所純子さんやEle-Kingの松村さんなどがたむろしていましたが、みんな動揺しつつ驚きつつも一様に笑顔だったのが印象深かったです。
終演直後は座っていた観客も立ち上がってスタンディングオベーションで出迎えます。(というかなんでこの日は座り見だったのか?)そりゃ当然だわ。圧巻のライブだったもの。初めてちゃんとマイブラに向き合ったような気もするし、そんなファンでもない自分ですら来てよかったと心から思えるそんなライブでした。どういう理由であれ見なかった人は後悔してほしい、そんな上半期末だった。