Boris@新代田FEVER 〜From the past, the present and through to the future〜 DAY2

「過去、現在、未来まで突き抜けて。」

初日に続いて二日目はドローン/エクスペリメンタル/ノイズに沿った選曲。それと勿論floodも。

  • Slight Slappers



東京パワーヴァイオレンスことSlight Slappers!! 数年振りに見たけど何も変わってなかったw いや勿論最高。相変わらずヴォーカルの久保田さんが大ハッスルしていたwww のたうち回ったり天井にぶら下がったりフロアに飛び込んでワイワイなう!だったりwww 最近は全く追いかけて無かったのであれなんですが、スローな曲というか歌い上げるアンセムっぽいのは定番なんですかね? あれがとてもうさんくせーwなんかうさんくせーw ファストコアなチューンの中にわざとらしく入ってるので尚更w (`ェ´)ピャーっと演奏しきっていつも通りわずか20分のショウは終了。
潔さ。



今日は実験色が強い曲で占められるのかなと上段上くらいで構えていたら、一発目がHugeで唖然・・・ これも前日のHama同様極初期の曲で激重スラッジドローンナンバー。とにかく重い。重い重い重い。体を鉈でザクザク斬られてるような気分。そして何よりも前日より音が大きい(;´Д`) これは殺りに来ている・・・w 改めてBorisが初期Melvins,初期Earth由来のバンドであることを再認識。
続いては打って変わってAttention Please。この落差たるや!ワタさんがリードでヴォーカルを取ってるムーディーなこの曲。場内の空気も激変。随分としっとりした感じに聴こえましたな。
その次にヘヴィードローン/パワーアンビエントな曲が流れたと思えばなんとMy Bloody ValentineSometimesのカバー。おおう・・・! もう完全に自分色に染め上げているw この曲は先日リリースされたマイブラトリビュート盤こと「Yellow Loveless」に収録されているのですが、実際に生で聴くと何倍もヘヴィーに聴こえる。これに限って云えばオレンジに変色したLovelessって言葉が相応しい気がするなぁ。
そしてまたガクッとフロアの空気が激変。今度は16:47:52...をプレイ。この曲はJapanese Heavy Rock Hits Vol. 3という7インチLPに収録されている(一応itunesで配信されてるはず)のですが、ライトなファンにはあまり馴染みがないかも。リリース当時はよくやってましたが。とにかく音数が少ないのでとりわけ印象に残りやすい。軽くギターを鳴らし、「オレンジのスカーイ・・・」と囁くような声がにフロアに響く。まるでワタさんが夕焼けに佇みながら独りで歌い上げてるようでした。
その後にヴォーカルのタケシさんが歌い上げるような曲が流れだす。今度はDEAD END冥合のカバー! 今日は一体どうなってるの・・・ これまでもPYGの花・太陽・雨のカバーなんてのも有りましたが、ここでJ-rock/ヴィジュアル系の文脈に繋がるとは!最近DEAD ENDのMORRIEさんがBorisのライブに何度か訪れているのを目撃されていましたが、こういう繋がりだったのかと。Borisがこの曲をやるとJ-rockの中に過去曲の決別やFeedbackerPt,2やMissing Piecesを織り交ぜたようにも聴こえます。あまりちゃんとDEAD ENDを聴いたことがない身からすると、新曲のように聴こえるのが正解だったりするのかと思った次第。これもこの日のハイライトの一つだったようにも思う。
そして一度ブレイク。恒例の?アツオさんの長MC。今年ぐらいからサポートで参加していた栗原ミチオさんの離脱について改めて説明が。栗原さん自身の個人的な家庭の事情で参加出来なくなったそうな。決して病気によるものとか仲違いという訳でもないそうで。状況がクリアになったらまた一緒にやりたいそうです。(僕も栗原さんのギタープレイ見たいよ・・・!)
先日亡くなったブラッドサースティ・ブッチャーズの吉村秀樹(Vo, Gt)さんにも触れ、「(こういうご時世だから)行ける時にライブに行ってサポートした方がいいよ」とのこと。バンドマンに改めて言われるとハッとさせられますね・・・
更にかの故北村昌士氏(初代フールズメイト編集長、YBO2、Canis Lupus)の命日にも触れていました。翌日が命日なんだそうで。8/16に高円寺でNG LIVEっていうのがあるのでみんな来てねって。(このNGっていうのは北村さんが当時立ち上げたトランスレコードのコンピのことを指しているのは明白なのですが、企画自体はかの森川誠一郎さんが中心となってやるそうな。元YBO2繋がりという意味でも。)
今度は日本のインディー・ロック史とも繋がるのか・・・ そのうち誰か交友関係まとめて欲しいぞよ・・・ 因みに前日はみんなお世話になってる?Daymare recodingsのレーベルオーナーでBorisのマネージャーでもある濱田氏の誕生日だったそうなw
で、残すは後一曲。勿論floodです。冒頭でアツオさんがエフェクターペダルを掲げた後に大ノイズ地獄に。さながらマゾンナの様相を呈してましたね。それに呼応するようにワタさんもタケシさんも負けじとギターノイズを撒き散らす。これがノイズ大会いやノイズ大海か!そしてスッとノイズの濁流が過ぎ去った頃には波打ち際でせせらいでいるようにクリーンで優しいギターの音色が響き渡る。環境音にも似たスペースエコーもまた秀逸。そしてフレーズにフレーズを重ね、ジワジワと高みへ登っていく。何度か聴いているとこのシンプルなリズムフレーズも焦らし加減が大分クセになってきますねー。スペーシーなワタさんのギターソロを経て静寂が訪れ、タケシさんの囁くようなヴォーカルへ。波打つようなギターフレーズを経て大爆発!!ここのパートは何度聴いても秀逸。抗いがたい!そして全てを押し流すように収束していく。この経過もアンビエント的な幕引きもこの曲の醍醐味であると思うのです。ラストにはアツオさんが久々にフロアダイブ&クラウドサーフを敢行!いやぁ、二日間のいい締めでした。
flood(英訳:洪水、氾濫)っていうだけあって音の洪水が何重にも襲いかかる曲なわけですが、物凄くシンプルなポストロック的なアプローチでもあるわけですよ。音に音を重ねていくみたいな。例えで言えばMogwaiのFear satanみたいなね。国内でもこういうのをいち早くやっていたと思うし、そこはもっと評価されてもいいんじゃない?とも思ったり。

  • SET LIST

前日と同じく曲名と収録音源も明記しておきます。

  • 1.Huge(BORIS - Amplifier Worship : CD/LP)
  • 2.Attention Please(Boris - Attention Please : CD/LP)
  • 3.Sometimes(My Bloody Valentineカヴァー。Yellow Loveless - V.A. : CD)
  • 4.16:47:52...(Boris - Japanese Heavy Rock Hits Vol.3 : LP/digital)
  • 5.冥合(DEAD ENDカヴァー。未発表新曲)
  • 6.flood(boris - flood : CD)

二日間通してみて、Borisは今がバンドとして充足している時なのかなぁと思っています。最近になってよくMCをするようになったのもその現れだったりして。
「過去(バンドとしての原型&基本軸)、現在(メジャー・フィールドに移ってからのBorisBORISborisの使い分け)、未来(新曲やカヴァーを通して過去を未来へと結ぶ)を突き抜けて」という趣旨を提示したこのバンド。これからも巧みな音像で我々リスナーを驚かせて欲しいし、驚異的なリリースラッシュにも負けずに付いて行く所存。
FUTURE IS NOW!